Take6 の Claude McKnight がworkshopでアカペラの極意を直伝!
クリスマスの夜に、なんと憧れの Take6 のリーダー Claude McKnight が教会でワークショップとライブをすると聞き、すっ飛んで行きました。そこで、クリスマスソングを彼と一緒に歌うという、私の貴重な体験をゆるっと書いてみようかな、と思います。
またもや長くなりそうなので、この記事も2回に分けます。次の記事では Take6 やナット・キング・コールのアルバムもご紹介します。
Take6!驚異的な歌唱力!楽器無用のグルーブ産出集団
まず、Take6 って誰? という方は、これを見ていただきましょうか。
アカペラグループの最高峰として、前人未到の頂点をずっと維持し続けて、グラミー賞を何度も獲っているのが Take6。彼らのクリスマスアルバムを過去の記事で紹介しているのでそちらも是非ご覧ください。試聴もできますよ。
で、Claude Mcknight なんですが、動画の中で左から4人目、この曲では最初の方でリードを取っています。
このアカペラ、本当にアカペラの中のアカペラ!!
アカペラの至宝だと私は思います。
おごそかな教会でのヴォーカル講座に音痴なガッツが潜入
2017年12月26日、みぞれがちらつく中、名古屋駅前の在日大韓基督教会に行きました。この日のタイムスケジュールはこんな風。
- 18:00~19:00 ワークショップ
- 19:15~20:30 ライブ
ワークショップってことは歌わされちゃう? そんなこと、予約した時から考えろよってことですが、憧れのClaude 様に直に何か教えてもらえるのに、そんなチャンスを逃すなんて、考えられないことでした。
しかし私は大のカラオケ嫌い。もう20年以上、人前では歌っていない。よく人からピアノ弾けるなら歌えるだろうと言われるのですが、そんなことはありません。
そんなの、ピアノ弾けるならトロンボーン吹けるだろ、とか、英語話せるならフランス語話せるだろってくらい、非常識です。
私は本当に音痴。
でもアカペラへの憧れは人一倍強い。
レイラ・ハサウェイみたいに歌えたら、もう寿命が何年か縮まってもいいくらい!
さて、意外に静かで人気も少ない教会のビル、エレベーターで会場に上がり、受付をしました。
ん~、なんかの勉強会みたい。名前を言ってチェックしてもらい、お金を払います。
娘と夫もライブから参加予定だったのが、仕事で来られず当日キャンセルだったので、受付で合計すると、1人分のディナーショーくらいの値段を払っちゃいました。私の分だけなら、ワークショップ+ライブで8,500円のはずが、3人分は2万円強。
しかし、会場はしっかりと教会! ステンドグラスと十字架で雰囲気満点!!
Claude 様はもちろん敬虔(けいけん)なクリスチャンであられ、おじい様はゴスペルクワイアの指導者をしておられたとか。
私は浄土真宗だけど、親の法事も忘れるくらいの罰当たり。困った時だけはちゃっかり神頼みするんですけど。
さて、参列者用のいすが並んでいて、縦に3ブロックに仕切られ、ブロックごとにソプラノ・アルト・テナーと張り紙がしてありました。
ハイ? 私、どこなんだろう?
会場スタッフと思しき女性に質問をしてみました。
「あの、私、歌は歌わないんです。でもどうしても来たくて来たんですけど、どこに座ればいいですか?」
「ああ、はい、ソプラノというのは一番高いパートで…」
「いや、それはわかるんですけど…すいません、適当に座ります」
私はやっと気づいたのです。このワークショップ、ホントにゴスペルでアカペラとかやっている人が来るんだわな。時すでに遅し。
しょうがないので、一番空席の多いテナーに座りました。
そして、受付で渡されたホワイトクリスマスの歌詞を眺めたりしていると、いよいよワークショップ開始。参加者は150人くらいでしょうか。教会のキャパとしてもちょうど良い感じです。
あの名曲、“ホワイトクリスマス”を Claude 様の手ほどきで歌う!!
Claude 様は、Tシャツにデニムというカジュアルないでたちで、ニコニコと登場されました。マイクから放たれるその美声に、彼が歌う前からうっとりしてしまう私。
ご家族と離れてクリスマスを過ごすのは初めてと言って泣きまねをする Claude 様の、なんと愛らしいことか。家族思いでいらっしゃる。大切な家族との時間を犠牲にして名古屋に来てくださってありがとう。
で、ワークショップは3声に分かれて、“ホワイトクリスマス”を歌うが、スウィングのリズムとボサノバのリズム2つのバージョンをやるんだそうな。
そんな説明をしながら、ホワイトクリスマスをちょっと歌ったり、スウィングのリズムやボサノバのリズムを口ドラムでやったりしてくださる。なんてカッコいいのでしょう。
もう、リズムの歌い方がノリノリで、ものすごく歯切れがよくてグルーブ満載で、聴いていても思わず身体が揺れるくらいです。
ワークショップの流れは
- まず、Claude 様がソプラノパートに手本を示して一人で歌う
- ソプラノパートの人がそれを真似して一緒に歌う
- Claud 様は歌わずソプラノパートの人たちのみで歌う
- アルト・テナーでも上記1~3を行う
- 全員で3声合唱する
- 各パートから3名ずつ代表が出て合唱する
- 各パートから2名ずつ代表が出て合唱する
- 各パートから1名ずつ代表が出て合唱する
- 全員で3声合唱する
アルトやテナーのパートの旋律は決めてあったわけではなく、その場で適当に考えて歌っているようで、歌うたびにちょっと違ったりして、それがまた最高にしゃれているんです。
歌いながらも、何度も「レイドバック」とおっしゃるClaude 様。
これは、直訳すると「リラックスして」とか、「くつろいで」ということなんだけど、ジャズで言うと、拍の頭でリズムに乗らないで拍の後ろのほうで乗るっていうことですね。これをしないと、なんかダサい、いかにも素人サン的な歌い方になるんです。
さて、パート練習を終えると今度は合唱。Claude 様は、時々、ちょっと弱いなと思ったパートの旋律を一緒に歌ってくださる。
私以外の参加者はやはり明らかに歌い慣れた人ばかり。音程の確かさも声量も、私とは全然違って朗々と歌っています。私は校歌を口パクで歌う、内気で音痴な中学生のようです。私はなるべく歌わない方が、明らかに我々の歌唱は音楽的になります。でも、ディナーショーなみの料金を払っているのに、楽しまないのは悔しすぎです。ちょっと歌ったり、自信のないところは口パクにしたりして何とか参加しました。
そして合唱の後、各パートから3人ずつ代表が出て合唱。代表は基本自薦。
さすがに上手い。
そのあと2人ずつ、次は1人ずつと代表者の数を減らしていき、最後は各パート1人で計3人で合唱。Claud 様は、全くさりげなく、それが当たり前であるかのように、ひょいと客席に座り、熱心に聴いてくださる。
そのあと、またみんなで合唱。Claude 様は、その場で思いついたフレーズをオブリガートにして歌う。超カッコいい(なんて拙い表現!!)。こういう時の Claude 様は、本当に幸せそうで楽しくて仕方がないという御様子。リズムに乗って身体を揺らし、フレーズに合わせて手を上げたりしながら、極上のフレーズを次々に紡ぎ出していくのです。
私たち(いや、私はほとんど歌っていない)の合唱に、Claud 様は
「オー、イェー」
と満面の笑みで喜んでくださり(他の言葉でもほめてくださったようだが聴き取れない)、一緒にツアーに来ないかと誘ってくださったりもしました(これは通訳していただけました)。
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