ジャズ初心者向け・ジャズミュージシャンが作曲した最高のメロディ|ゴニョ研
こんにちは
ジャズが大好きなガッツかよめです。
「ジャズを聴いてみたいけど、なんだか難しい曲が多いし、メロディも覚えられないし…。」
なんて、思ってらっしゃる方、いやいや〜〜。
ジャズもいろいろ。
とっても親しみやすい、美しいメロディ、キャッチーなフレーズの曲がいっぱいあります。
今回は、特にジャズ・ミュージシャンが作曲した曲の中から、曲も演奏も素晴らしいものだけを厳選してご紹介します。
そして、ここではジャズを幅広く捉えています。
とりあえず、難しいことは抜きにして聴くだけ聴いてみてくださいね。
- 1. 初ジャズにおすすめの親しみやすい曲・ミュージシャン作曲の名曲
- 1.1. The Christmas Song(作曲:メル・トーメ & ボブ・ウェルズ)
- 1.2. St. Thomas(作曲:ソニー・ロリンズ)
- 1.3. Moment’s Notice(作曲:ジョン・コルトレーン)
- 1.4. The Sidewinder(作曲:リー・モーガン)
- 1.5. I Remember Clifford(作曲:ベニー・ゴルソン)
- 1.6. Joy Spring(作曲:クリフォード・ブラウン)
- 1.7. If You Could See Me Now(作曲:タッド・ダメロン)
- 1.8. Moanin’(作曲:ボビー・ティモンズ)
- 1.9. Misty(作曲:エロル・ガーナー)
- 1.10. My Little Suede Shoe(作曲:チャーリー・パーカー)
- 1.11. Song for My Father(作曲:ホレス・シルバー)
- 1.12. Blue Bossa(作曲:ケニー・ドーハム)
- 1.13. イパネマの娘(作曲:アントニオ・カルロス・ジョビン)
- 1.14. メロディーズ・オブ・ラブ(作曲:ジョー・サンプル)
- 1.15. Work song(作曲:ナット・アダレイ)
- 1.16. ムーンライト・セレナーデ(作曲:グレン・ミラー)
- 1.17. Li’l Darlin’(作曲:ニール・ヘフティ)
- 1.18. Take Five(作曲:ポール・デズモンド)
- 1.19. Blue Minor(作曲:ソニー・クラーク)
- 1.20. Mornig Dance(作曲:ジェイ・ベッケンシュタイン)
- 1.21. We are All Together(作曲:ハンク・ジョーンズ)
- 1.22. Home(作曲:ミシェル・ペトルチアーニ)
- 1.23. Summer Afternoon(作曲:佐山雅弘)
- 1.24. For You(作曲:鈴木良雄)
- 1.25. The Chicken(作曲:ピー・ウィー・エリス)
- 2. ジャズにも親しみやすい曲はたくさん! アドリブがよく分からなくても大丈夫!
初ジャズにおすすめの親しみやすい曲・ミュージシャン作曲の名曲
The Christmas Song(作曲:メル・トーメ & ボブ・ウェルズ)
この曲を聴いたことがないという人は、おそらくクリスマス・シーズンに街を歩いたことがない人です。
この 『ザ・クリスマス・ソング』、実は「アメリカジャズ界の巨人」とも言われる歌手、メル・トーメが作曲家ボブ・ウェルズと書いた曲なんですね。
聴いていただいているのは、ジャズピアニストで歌手でもあるナット・キング・コールの歌。
これは大ヒットしたので、この曲をナット・キング・コールの歌で思い浮かべる方も多いかも。
あまりにもポピュラーなこの曲を、私は民謡とか賛美歌みたいなもんなのかと思ってました。
St. Thomas(作曲:ソニー・ロリンズ)
はい、一生踊れそうな曲ですよ。
カリブ海の音楽、カリプソのリズムが最高!
テナー・サックス奏者ソニー・ロリンズの代表作『セント・トーマス』です。
ロリンズのお母さんは、カリブ海に浮かぶアメリカ領バージン諸島の出身。
タイトルになっているセント・トーマス島も、このヴァージン諸島の中にあるんですね。
で、ロリンズ少年は小さい頃から、お母さんが歌うカリプソの歌を聴いて育った。
一説には、この名曲『セント・トーマス』の旋律の素は、この曲だという話があります。
イギリスの民謡みたいなものが、人々に伝わる過程で、ヴァージン諸島の子守唄になった。
それを毎晩、眠りにつきながら、ロリンズ少年は母ちゃんから聴いていたということです。
何十年も経って、こんな風に花開くなんて、子守唄も歌っとくもんですね。
Moment’s Notice(作曲:ジョン・コルトレーン)
テナー・サックス奏者として、ソニー・ロリンズと同じくらい評価が高いジャズ・ミュージシャンが、ジョン・コルトレーンです。
そして、ジャズの名盤といえば必ず取り上げられるのが、この曲が入っているアルバム “Blue Train" 。
1曲目のタイトル曲が名演として名高いですが、曲としては2曲目のこの “Moment’s Notice" が断然イカすと思うんですよ。
試聴では、ほとんどテーマが聴けないので、ぜひとも、アップルミュージックでフルバージョンをお楽しみください。
最初はイントロ。
コルトレーン(テナー・サックス)がメロディを吹き、イントロが終わると、最初のメロディを吹くのは、天才トランペッター、リー・モーガン(トランペット)。
そしてコルトレーンとカーティス・フラー(トロンボーン)がハモるんですよ。
試聴の後に続く、それぞれのソロも聴きごたえ抜群なので、是非そちらも。
The Sidewinder(作曲:リー・モーガン)
リー・モーガンは、作曲家としても天才です。
「え〜〜〜っ?」
って言いたくなるような、意外なコード進行。
チャーミングなメロディ。
演奏もキレッキレ。
33歳の時、愛人ヘレン・モアに撃たれて死んでしまいます。
そのヘレンとリー・モーガンとの関係は “Called Him Morgan" というドキュメンタリー映画にもなっています。
I Remember Clifford(作曲:ベニー・ゴルソン)
リー・モーガンにもう1曲吹いてもらいましょう。
多くの名曲を作曲したことで有名な、サックス奏者ベニー・ゴルソンが作った “I Remember Clifford"。
この曲は、25歳の時に交通事故で亡くなった天才トランペッター、クリフォード・ブラウンへの追悼曲です。
クリフォード・ブラウンは、ブラウニーの愛称で親しまれました。
Joy Spring(作曲:クリフォード・ブラウン)
さて、そのクリフォード・ブラウンが作曲した曲です。
なんと明るく楽しそうな曲かと思うでしょ?
ブラウニーが結婚した年に作った曲なのだそうです。
If You Could See Me Now(作曲:タッド・ダメロン)
ジャズ・ヴォーカルの女王といえば、サラ・ヴォーン。
この、"If You Could See Me Now" は、ピアニスト、タッド・ダメロンがサラのために書いた曲で、彼女の代表曲になりました。
ダメロンは、作曲・編曲の仕事で評価の高い人です。
先ほど、"I Remember Clifford" の作曲で登場したベニー・ゴルソンが共に活動していたのが、ダメロンなんですね。
ベニー・ゴルソンは作曲については、ダメロンから最も大きな影響を受けたと語っているそうです。
きっとダメロンは、
「そんなフレーズじゃダメろん」
と、優しくゴルソンを導いたのでしょうね。
Moanin’(作曲:ボビー・ティモンズ)
普段ジャズを聴かない方でも、一度は耳にしたことがあるのが、この曲『モーニン』。
演奏しているのは、ジャズ・メッセンジャーズ。
リー・モーガン(トランペット)、ベニー・ゴルソン(テナー・サックス)、ボビー・ティモンズ(ピアノ)、ジミー・メリット(ベース)、そしてリーダーのアート・ブレイキー(ドラム)です。
このジャズ・メッセンジャーズは、アート・ブレイキー以外のメンバーが次々に交代し、若手の登竜門として知られるようになります。
キース・ジャレットやウィントン・マルサリスなど、ジャズの歴史に名を刻む名演奏家をたくさん育てました。
そうそう、アート・ブレイキーは始めピアニストだったんです。
しかし、ある日突然、子どものようなピアニストに職を奪われ、仕方なくドラムを叩き始めたそうです。
Misty(作曲:エロル・ガーナー)
この曲も、ホテルのラウンジや街に流れるBGMとして、聞き覚えのある方が多いのではないでしょうか?
先ほどのアート・ブレイキーからピアノを奪った子どもが、誰あろう、この『ミスティ』の作曲者・エロル・ガーナーさんなんです。
<俺がステージの休憩時間にピアノのそばで休んでいると少年がやってきてピアノを弾いていいかって聞いてきたんだ。ガムを噛んでいるまだ小さな子供なんだけど天才だった、譜面もこなすしアドリブも入れるんだ>
少年は後にビハインド・ザ・ビートで一世を風靡したエロール・ガーナー(p, 1921~1977 55歳没)であった。
<で、そのあと、俺は店のオーナーに呼ばれたんだ、ブレイキー、お前はドラムだ、あいつをピアニストにする、ここに残りたかったらドラムをやれ>
クラブはギャングが経営している店で店主はマグナムを手に持っていたという物騒な話。ブレイキーは店主の命令通りにその場でドラムを叩いたというが、ドラムの手ほどきは受けていなかったにもかかわらずなんとか格好がついたようで、かくしてドラマー、アート・ブレイキーが誕生する。
JazzTokyo Jazz and Far Beyond,音の見える風景 Chapter57「アート・ブレイキー」, 望月由美著、 2018年11月3日
この頃、ブレイキーは楽譜が読めなかったそうです。
しかし、ガーナーさんも実は楽譜の読み書きができません。
この『ミスティ』も飛行機の中で思いつき、慌ててホテルへ向かい、ピアノを弾いて録音したとか。
ちなみに演奏しているのもガーナーさんですよ。
ブレイキーもガーナーも、どんな耳なんでしょうかね?
My Little Suede Shoe(作曲:チャーリー・パーカー)
そうそう、"Joy Spring" を作曲したブラウニーも、アート・ブレイキーの大型新人専門養成バンド、ジャズ・メッセンジャーズの一員でした。
その、ブラウニーをアート・ブレイキーに紹介したのが、誰あろう、チャーリー・パーカーです。
チャーリー・パーカーは、モダン・ジャズの元となる形を作った偉大なサックス奏者。
今もジャズミュージシャンが好んで演奏する曲をたくさん書いています。
パーカーの曲はかっこいいけど難しい。
楽器を習ってジャズを勉強すると、パーカーの曲を演奏することに憧れる人は多いはず。
この曲は、彼の代表曲とはいえないかもしれませんが、とても親しみやすいメロディです。
Song for My Father(作曲:ホレス・シルバー)
この、"Song for My Father" の作曲者、ピアニストのホレス・シルバーは、ジャズメッセンジャーズの創生期のメンバーです。
ジャズによくあるスウィングのリズムではないのが、またかっこいいんですよね。
ホレス・シルバーの父上は、ずいぶんモダンな人だったんでしょうね?
ジャケットの写真の男性だそうです。
やっぱ、ダンディ。
私、父親の姿っていうとステテコ姿でゴロゴロしてたことくらいしか覚えてないんです。
この曲のメロディを吹いてるサックス、本当にかっこいいでしょ?
ジョー・ヘンダーソンです。
Blue Bossa(作曲:ケニー・ドーハム)
そのジョー・ヘンダーソンのアルバムから『ブルー・ボッサ』を。
なんて素晴らしいメロディなんでしょうか?
すぐ覚えられるのに、何度聴いても胸がキュンとするじゃないですか?
名曲っていうのは、こういうのを言うんですね。
さて、この曲を作曲したのはトランペッターのケニー・ドーハムです。
が、上にご紹介した、サックス奏者ジョー・ヘンダーソンのアルバム “Page One" で世に出ることになったのです。
ちなみにトランペットの演奏は、ケニー・ドーハム。
さて、この曲のリズムはボサノバ。
この時期、ジャズ・ミュージシャンがこぞってボサノバを取り入れ始めたんですね。
イパネマの娘(作曲:アントニオ・カルロス・ジョビン)
この曲を初めて聴く人は、きっとおしゃれなカフェに行ったことない人ですね。
1950年代に、この曲の作曲者であるアントニオ・カルロス・ジョビンと、ギタリストで歌手のジョアン・ジルベルトたちは、ブラジルで新しい音楽を生み出しました。
それまでの主流であったサンバをもとに作られた、ボサノバです。
そして1960年代には、アメリカでもボサノバのコンサートが行われます。
これに目をつけたサックス奏者のスタン・ゲッツは、ジョアン・ジルベルトとコラボしてアルバムを作ります。
そのアルバム 『ゲッツ/ジルベルト』 は大ヒット。
1曲めがこの「イパネマの娘」。
アメリカで大ヒットとなりました。
歌っているのは、ジョアン・ジルベルトです。
作曲者のアントニオ・カルロス・ジョビンは数え切れないほどの名曲を書き、今も繰り返し演奏され続けています。
私は、こんなのも大好きです。
メロディーズ・オブ・ラブ(作曲:ジョー・サンプル)
管楽器の演奏が続いたので、この辺で鍵盤楽器を。
1970年代にクルセイダーズのメンバーとして、ヒットを飛ばしたピアニスト、ジョー・サンプルの作品です。
美しいメロディとドラマチックな盛り上がりで、何度聴いても新鮮な感動があります。
パーシー・フェイス楽団のピアニストとして初来日したという彼。
なるほど、親しみやすいのに品があってキャッチーなメロディーは、パーシー・フェイス楽団での経験が生きているのかもしれません。
ジョー・サンプルのヒット曲といえばこれも有名。
この “Street Life" は、ランディ・クロフォードという女性歌手のために書かれた曲なのですが、私は、このレイラ・ハサウェイのバージョンが大好きです。
Work song(作曲:ナット・アダレイ)
この曲は、1960年に作者ナット・アダレイのアルバム “Work Song" で発表され、その後英語、フランス語、日本語などで歌詞が付けられています。
お聴きいただいているのは、公民権活動家としても知られるニーナ・シモンの歌声。
もちろん、ナット・アダレイのオリジナルも素晴らしい演奏で、アルバムの参加メンバーも最高なので、是非聴いてみてください。
ムーンライト・セレナーデ(作曲:グレン・ミラー)
激しい曲が続いたので、この辺でちょっとしっとりした曲を。
時代はさかのぼって、チャーリー・パーカーが活躍するモダン・ジャズの時代の前には、スウィング・ジャズの時代がありました。
1930年代から1940年代始めがスウィング・ジャズの時代で、もっぱらビッグ・バンドで演奏し、人々はこれに合わせてダンスを楽しんだのですね。
この時代に生まれてたら、ジャズを聴きに行ったら踊らないといけなかったわけですよ。
先ほどご紹介した『ムーンライト・セレナーデ』は、チークダンスですね。
チークじゃないダンスはこちら。
座って飲みながらジャズが聴ける時代に生まれて幸せです。
そうそう、グレン・ミラーはトロンボーン奏者で、かつグレン・ミラー・オーケストラのバンド・リーダーでもあったわけですね。
グレン・ミラーは1942年に亡くなってしまいますが、その後も意思を継いだバンドメンバーが活動を続け、今でもグレン・ミラー・オーケストラは世界中で演奏しています。
Li’l Darlin’(作曲:ニール・ヘフティ)
ビッグ・バンド・ジャズといえば、カウント・ベーシー・オーケストラも有名です。
この曲の作曲者Neal Hefti(ニール・ヘフティ)はトラペッターで、カウント・ベイシー・オーケストラの初期のコンポーザーでもあるんですね。
ニール・ヘフティは、他にこんな曲も書いています。
センス抜群でうっとりします。
演奏はジャズ・ピアノの帝王オスカー・ピーターソンです。
このオスカー・ピータソンの演奏がいいなと思った方は、よろしかったら彼の代表作を紹介した初ジャズ大歓迎!!The Oscar Peterson Trio “We get requests”へ。
Take Five(作曲:ポール・デズモンド)
「ああ、聴いたことある」
と思う方がたくさんおられることでしょう。
この『テイク・ファイブ』は5拍子とクネクネ感のあるメロディーが印象的。
何を隠そう、私は中学生の時にエレクトーンでこれを弾かされて、ちっとも拍子が取れないこの曲が大嫌いでした。
今聴くと「カッコえー」と思うんですけどね。
みなさん、ジャズは1回で聴くのをやめたらダメなんです。
ちょっとおいといて、2回目、3回目を聴いてみてください。
だから、この記事も「あんまりなあ…」と思っても、ブックマークしておいて、何度かみてみてください。
そうそう、この曲はデイヴ・ブルーベック・カルテットの「タイム・アウト」というアルバムに入っています。
サックスを吹いているのは作曲者のデズモンド。
このアルバムはとてもクラッシックっぽい曲が多いので、クラッシック好きの方に特にオススメです。
Blue Minor(作曲:ソニー・クラーク)
ジャズの名盤というと必ずあげられるアルバム “Cool Struttin'"(クール・ストラッティン)の2曲めがこの “Blue Minor" です。
1曲目のタイトル曲の方が、有名かもしれません。
どちらもピアニスト、ソニー・クラークの作曲ですが、曲としては私は断然、この「ブルー・マイナー」が魅力的だと思うんです。
ピアニストとしては、それほど評価されなかったようなんですが、作曲家としては最高だと思います。
ジャズ・ピアニストとして最高峰の、あのビル・エヴァンスが、31歳でヘロイン中毒で亡くなったクラークに追悼曲を書いたのも、うなずけます。
クラークは作曲がうまいだけあって、ソロもキャッチーなフレーズが多いし、バランスがいいんですよね。
構成もしっかりして、心にくい仕掛けも多い。
頭の良い人だったんでしょうね。
Mornig Dance(作曲:ジェイ・ベッケンシュタイン)
では、ちょっと休憩して明るい曲を。
1970年代後半に結成され、ヒットを飛ばしたフュージョン・バンド、スパイロ・ジャイラ(Spyro Gyra)の代表曲です。
作曲者のジェイ・ベッケンシュタインはリーダーで、サックス奏者。
スパイロ・ジャイラは現在も活動を続けています。
We are All Together(作曲:ハンク・ジョーンズ)
マイルス・デイヴィスや、スタン・ゲッツやエラ・フィッツジェラルドなど、数限りないレジェンドと世紀の名演を繰り広げたピアニスト、ハンク・ジョーンズ。
この曲を聴くとなんだかスキップをしたい気分になります。
試しに曲に合わせてスキップしてみてください。
早すぎて転びますよ。
冗談好きで、限りなく優しい紳士であったという彼の人柄が、にじみ出ている曲だと思います。
Home(作曲:ミシェル・ペトルチアーニ)
フランスを代表するジャズ・ピアニストといえば、ミシェル・ペトルチアーニ。
先天的な病気のため、体は小さく、ピアノの椅子まで運んでもらい、ピアノのペダルも特別な装置なしには踏めませんでしたが、演奏からは全くそんなことは想像できません。
スケールが大きく繊細なのに力強い演奏。
この曲の美しさにも脱帽です。
Summer Afternoon(作曲:佐山雅弘)
では日本からも美しい曲を。
2018年に亡くなってしまいましたが、ジャズピアニスト、作曲家、編曲家として活躍した佐山雅弘。
私が初めて彼の演奏を聴いたのは、サックス奏者MALTAのライブ。
その時はフュージョンが流行っていて、大きなホールが満席でした。
この曲は私が20代で買ったアルバムに入っていて、以来、夏が来るたび、私の頭の中にはこの曲が流れるんです。
For You(作曲:鈴木良雄)
日本からもう1曲、美しい曲を。
だいぶ前にご紹介した、"Moanin'" でドラムを叩いていたアート・ブレイキー。
彼が率いるバンド、ジャズ・メッセンジャーズの卒業生です。
日本を代表するベーシスト、鈴木良雄。
胸がキュンとするでしょ?
この曲の入ったアルバムは、
For You featuring Tadataka Unno・鈴木良雄トリオ!これぞジャズで、じっくりとご紹介しています。
The Chicken(作曲:ピー・ウィー・エリス)
ジャズ・ファンクが好きで、バンドを始めたら、絶対一度は演奏したい曲がこれ、『チキン』です。
1960年代にジェイムス・ブラウンのバンドで活動していたピー・ウィー・エリス(サックス奏者、作曲家、編曲家)が書いた曲で、始めは『ポップコーン』という曲のB面でした。
伝説のベーシスト、ジャコ・パストリアスがこの曲をカバーしたら大ヒット。
最初にご紹介したのはジャコのライブ・バージョン。
ジャコ・パストリアス以来、この曲は世界中でさまざまな音楽家にカバーされています。
ジャズにも親しみやすい曲はたくさん! アドリブがよく分からなくても大丈夫!
いかがでしょう?
ジャズって、アドリブが重要視されて、テーマが素晴らしいことがあまり取り上げられなかったりするんですね。
でも、アドリブの前のテーマも、魅力的な曲がたくさんあることをおわかりいただけたと思います。
まあ、ご紹介したのは狭くとらえるとジャズではない曲もありますが。
「え? ジャズって何?」
という疑問をお持ちの方は、ジャズとは何か?楽しく音楽を聴くだけでサルでもわかる!へどうぞ。
ここにご紹介した曲も、もちろんアドリブも素晴らしい曲がたくさんありますし、アドリブも楽しめるとジャズがもっと好きになるとは思います。
けれども、アドリブが長くて10分超えのような曲を、飽きずに最後まで聴けないからといって、ジャズを嫌いにならないでください。
まあ、ここにご紹介したものも「名盤」や「名演」が多いですが、そういうものがよく分からなくても、全然違うものが好きでも、全く問題ないと思うんですよ。
まずは、「いいな」と思ったものを、ぜひ聴き始めてみてください。
自分の感性に合うものから聴いていって、何年かしたら、「これぞおすすめ」というものを、もう一度聴いてみてください。
ジャズは長く付き合える音楽。
上質のワインように、寝かせておくとおいしくなったりするし、奥深い映画のように、聴くたびごとに違う感動を味わえるんです。
ジャズ・ミュージシャンが作曲した名曲を最高の演奏で聴くシリーズ、続編もあります!
心に染みる曲・素晴らしいメロディを最高のジャズで
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
あなたの音楽ライフをほんの少しでも豊かにできたら幸せです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません