ジャズとは何か?楽しく音楽を聴くだけでサルでもわかる!|ゴニョ研

2018年9月14日ジャズおすすめ

こんにちは
ジャズが好きすぎて、ちょっとおかしいガッツかよめです。

夫ポンポン

かなりおかしいけど原因はジャズが好きすぎることではありません!!

ジャズ。
ジャズってとても魅力的な音楽なんだけど、
「ジャズって何?」って聞かれると困る。
説明するのが難しい!!

でも、今回はあえてチャレンジしてみます。

せっかくジャズに興味をもってくださった方に、もっとジャズ聴いてみたいなと思ってもらいたい!

魅力的な演奏をたくさん聴いてもらって、なるべくわかりやすく「ジャズ」を説明します。

アラサー娘

そんなの無理じゃね?

夫ポンポン

まあ、1回やってみれば気が済みますよ。

ジャズとはどんな音楽? イメージもわきにくいんだけど

ジャズ、実はいろいろなところで耳にしますよね。
たとえばテレビ、カフェやレストランのBGM。

皆さんのジャズのイメージはこんな感じ?

それとも、こんな感じ?

それとも、これ?

そうなんです。
これ全部ジャズです。

ロックやポップス、クラッシックなら、固まったイメージがある。
でもジャズは、いまひとつ、つかみどころがない。
いったい、何がジャズで、何がジャズじゃないのか、お話しします。

ジャズは演奏スタイル!

ジャズは、音楽のジャンルというより、演奏スタイルなんです。
ここはひとつ、日本を代表するジャズベーシストの鈴木良雄さんに説明していただきましょう。

簡単に言うと音楽の形式としては変奏曲で、最初にその曲のメロディー(主題)を演奏したあとそのメロディーのバックにある和音の進行に従ってプレイヤー達が変奏を繰り返し、最後はまた最初のメロディーに戻って曲が終わるという単純なものです。
実際はそこに前奏や後奏や途中で挿入部分が入ったりしますが、歌に例えると、歌の1番の歌詞をみんなで歌ったあと2番3番4番とそれぞれが替え歌を歌って出来映えを競い合い、最後はまた1番をみんなで歌って終わるという様に考えると分かり易いかもしれません。

鈴木良雄著、『人生が変わる55のジャズ名盤入門』、「はじめに」、2016年、株式会社竹書房、pp12-13

ジャズという演奏スタイルは、要は、

  1. 最初と最後は素直にその曲をそのまま演奏する
  2. その間に変奏を演奏して競い合う

っていうことなんですね。

飽くまでこれは、基本形。
競い合って変奏しなかったらジャズって言わないかっていうと、そんなことないんです。
メロディーがとても美しいバラードを、あえて大きく崩さずに、原曲のイメージを大切に演奏する、そんなジャズもありです。

なんて良い曲でしょう!

ジャズでよく演奏される曲、いわゆるスタンダードにはメロディとハーモニーが格別美しい曲も多いので、変奏を競い合う部分(多くはアドリブ)がないパターンもありなんです。

アラサー娘

ちょっと、アドリブなしでもいいの?
だったら、何がジャズなのよ?!

母ガッツ

怒んないでよ!!
たとえばカフェでさあ、なんか曲がかかってる時、その曲にアドリブがあるかどうか確かめる前に、「あ、これジャズだな」ってわかるじゃん!
どうしてだと思う?

アラサー娘

そういわれてみればそうだねえ。
アドリブじゃない時でもジャズはジャズっぽい!
それは…ノリが違う!!ノリ!!

母ガッツ

どうしてのり弁なんだよっ!!

ジャズには特有のリズムがある!

そうそう、ノリ!!
リズムのノリが違うんですよね。

ジャズの特色はアドリブだけではないんです。
まずはクラッシックで「リパブリック賛歌」を聴いてください。

では、ジャズでどうぞ。
これ、ちょっと音量が大きいのでご注意を。

夫ポンポン

ごんべさんの赤ちゃん、こんなに元気なのに本当に風邪ひいてるんだろうか? 湿布(しっぷ)いらないと思う!

先ほどのクラッシックバージョンとはリズムが、躍動感が、全然違いますよね。
これがジャズ特有のリズムです。
スウィングと呼ばれるものですね。

アラサー娘

でもさあ、スウィングじゃないジャズの曲だってあるでしょ?

母ガッツ

そうそう!!
たとえば、こんなのもジャズだよね。

アラサー娘

ロックみたいなリズムじゃん!
でも、むっちゃジャズだってわかるわ! なんか地味で暗いし!
あっ!! なんかハーモニーがもやっとする感じだよね。

母ガッツ

そうそう!!ハーモニーだよ!!
でも、もやっとなの?

ジャズには特有の和音がある!

ジャズには特有の和音、つまりハーモニーがあります。
まあ、もやっとしたっていうか、なんか浮遊感がある和音ですね。

皆さん、「月の砂漠」って知ってます?
私が小学校のころ、教科書にのってたような気がするんですけどね。

妻ガッツ

これですね!!


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はい、では鮫島由美子さんの極上の歌唱で「月の砂漠」を聴いてください。

では、今度はジャズトランペッターのリー・モーガンさんに一発吹いてもらいましょう。

リズムも原曲とは違いますが、ハーモニーがなんとなくフワッとするのをお分かりいただけましたか?

日本に限らず、いろいろな国の民謡流行歌は、よくジャズで取り上げられています。
そんな曲を聴いてみましょう。

次はエルビス・プレスリーの大ヒットを。

ビートルズだってあるんですよ。
まず原曲からどうぞ!

すばらしいアレンジです。

ジャズの音楽家は、きっと、魅力的な曲を聴いたら、すぐに頭の中に自分なりのハーモニーやリズムが浮かんでくるんでしょうね。

「この曲をジャズにしてやろう」

ではなくて、思いつくままに演奏したら

「知らず知らずのうちにジャズになってしまう」

のだと思います。

ホンモノのジャズミュージシャンのライブを聴きに行くと、彼らはアドリブでも、本当に楽しそうに次々に、もうドンドコドンドコ演奏するんですよ。

頭の中に滝のように演奏すべきものがあふれてくるんでしょうね。

ジャズの目玉はやっぱりアドリブ

さて、アドリブです。
ジャズの醍醐味(だいごみ)であるアドリブ。

どんな楽器でもアドリブができる

どんな楽器でもアドリブをします。
ベースでもドラムでもパーカッションでもヴォーカルでも!

次の曲のドラムのアドリブは、管楽器と掛け合いをしながら演奏されます。

ドラムだけしかいないのにメロディが聞こえてくるようです。

アドリブをしながら曲は進行していく

そして、どんな楽器のアドリブの時でも、曲は進行を止めません。

つまり、32小節の曲でドラムが16小節アドリブして、次にピアノがアドリブするとすると、ピアノの人は曲の17小節目からのコードに合わせてアドリブするのです。

ジャズといえば「枯葉」。
この曲は元はフランスの曲ですが、1950年代にさまざまなジャズミュージシャンによって演奏されるようになりました。
「枯葉」の主題、つまり元のメロディはこんな感じです。

では、ベースでのアドリブをどうぞ。
ジャズピアニストの神様、ビル・エバンスのトリオです。
ジャズ・ベーシストの神様、スコット・ラファロのソロをお聴きください。

アラサー娘

どこが「枯れ葉」なのか分からん。

ガッツかよめ

これはワシも分からん…。

アドリブはテーマのコード進行で行う

最初に鈴木良雄さんが説明されたように、アドリブは何でもいいから適当に演奏するわけではなく、基本的には、テーマのコード進行に合うように演奏するのですね。
だから、たとえば管楽器やヴォーカルなどがアドリブをとるとき、ピアノやベースは、主題の時と同じように伴奏していたりするわけです。

次の曲はちょっとテーマが難しいですが、聴いてみてください。
これがテーマです。

そして次が、この曲のヴォーカルのアドリブです。
さっきより、ちょっとテンポが早いですね。

ジャズは演奏者による曲の解釈の違いを楽しむ音楽

ジャズは、演奏者が曲をどう料理するかを楽しむ音楽です。
クラッシックでもそういう側面はあるのでしょうが、クラッシックでは楽譜に忠実に演奏することが要求されます。
ジャズは、あるのは簡単なメロディと和音(コード)だけ。
それさえ、みな自分なりに変えてしまいます。

今から聴いていただく曲は全部同じ曲 “On The Street Where You Live"、邦題は「君住む街で」。

なんて優雅な演奏でしょう?
古き良きジャズという感じのスウィングのリズムですね。
でもとっても新鮮!!
ギターを弾いているバッキー・ピザレリは録音当時89歳。
本当にしびれます。

おすすめ!このジャズ動画を見れば80代が待ち遠しくなる!では、バッキー・ピザレリの、もっとしびれるアドリブを聴ける動画もご紹介しています。

次はしっとりとしたピアノをどうぞ。

次の女性、ニッキ・パロットはベーシストですが歌も歌っています。
リズムが変わると、まるで雰囲気が変わりますね。

お次は日本人ジャズヴォーカリスト、小林桂(こばやし けい)です。
渋い16ビートのリズム。

今度は、アメリカ音楽界のドン、クインシー・ジョーンズのビッグバンドです。
ノリノリのラテンのリズムが最高です。

全く同じ曲の、5とおりの全く違う料理法を聴いていただきましたが、いかがでしょう?

ジャズはとっても自由な音楽!ぜひライブへ!

もともとジャズは、奴隷としてアフリカからアメリカへ連れてこられた黒人達が、アフリカの音楽と西洋の音楽を融合させたものが発祥と言われています。
背景にはアメリカ社会の黒人差別があり、苦しい生活を強いられた奴隷たちの労働の時の掛け声とか、祈りのための歌とか、そういうものからジャズの源流が生まれてきたとされています。
ジャズの音楽家たちが、差別と闘いながら演奏してきたことも忘れてはいけないと、私は思います。

ジャズの起源については、ジャズの起源・楽しく聴くだけでサルでも分かる!で思い切り詳しくお話ししています。


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そして、ジャズはずっと変化し続けていて、「こうでなければならない」というものはないのです。

だからジャズのライブでは、その日の演奏曲目さえ決めず、お客さんや会場の雰囲気を見てからバンドリーダーが決める、なんていうこともあります。

バンドリーダーが最初のフレーズを歌ったり、演奏し始めたりするのに、バンド全員がついていくわけです。ある曲を、どんな速さでどんなキーで、どんなリズムで演奏するかも、その時のバンドリーダーの気分次第。バンドメンバーは、最初のフレーズを聴いて、とっさに理解し演奏するわけですね。

もちろん、アドリブは、その場で考えるわけですし、誰がどのくらいの長さのアドリブをするかも、その場で決まります。

ですから自分のアドリブを終える前に、他のバンドメンバーに目で合図を送って、曲の進行が滞らないようにしています。

演奏しながら、同時にそんなコミュニケーションもするなんて、人間業とは思えませんよね。

そんな、ジャズのライブハウスに初めて行く方のためのジャズのライブハウスへ行こう!予約やライブの選び方は?や、ジャズのメッカ、ブルーノートのとっても詳しいガイド、ブルーノート東京|一人でも快適!座席・食事の裏情報!もありますので、そちらもぜひ。

今、ジャズのライブハウスはコロナの影響で存続の危機と戦っています。
ジャズを愛する者として少しでも力になりたいと思い、ジャズ・ライブハウス支援活動リスト・アフターコロナにもジャズが響く街に!で、支援活動をリストアップしました。

ジャズとは何? まとめ

  • ジャズは演奏スタイル
    1.最初にその曲の主題を演奏
    2.変奏を繰り返す
    3.最後はまた主題に戻る
  • 特有のリズムや特有の和音がある
  • どんな楽器でもアドリブをすることができる
  • 演奏家によって異なる曲の解釈を楽しむのがジャズである

では、最後に私の大好きなジャズミュージシャン、コリー・ヘンリーのオルガンを聴いて頂いて、お別れにします。

最後までおつきあい頂き、ありがとうございました。

ジャズを聴き始めた方におすすめの曲満載の記事を!!


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