若く見えることが一番大事?女性の魅力って?|ゴニョ研
若く見えることが重要?55歳ですけど、それが何か?
こんにちは
白髪染めをやめて10か月のガッツかよめです。
私が白髪染めをやめたことの詳細やおしゃれに白髪染めをやめる方法については白髪染めをおしゃれにやめる!やめた55歳が美容師さんに聞いた!に書きました。
不思議なことに、周囲の女性からは絶賛の嵐。
正直、驚いています。
「実は私も白髪染めをやめたい」
という同年代の女性の声をたくさん聞きました。
でも、一方では、「10歳若く見える」、「60代にはとても見えない」、「50代なのに20代のプロポーション」と、若く見えることがもてはやされているように見えます。
今日は、その辺のことについて私が大好きな本『華齢な女性たちーbeautiful age』(吉田ルイ子著)をご紹介しながら、お話ししたいと思います。
歳をとることは、そんなに悲しいことなのか?
私もねえ、ついつい言っちゃうんですよ。
「もう歳だから」とか、
「若いっていいね」
とか。
そうそう、
「こんなオバサンでいいの?」
とかね。
でも、歳をとるのって、そんなに悲しいことなんでしょうか?
たしかに外見的には、20代の女性の張りのある肌や、はじけるようなる体つきはまぶしい。
自分の身体機能の衰えも切ない。
でも、内面で比べれば、私には今まで積み重ねてきたものがあります。
たくさんの失敗をして、何度も泣いて、立ち直れないと思いながらはいずって進んだこともある。
そういう経験が私に残した強さや感受性や知恵は、20代の時には持っていなかったもの。
捨てたもんじゃないよって言いたい気持ちもあります。
もういい加減、年齢を悲しむのはやめませんか?
女性にとって歳をとることって、そんなに憎むべきことなのかと考えながら、なにげなく本棚を物色していたら、『華齢な女性たちーbeautiful age』というタイトルの本がありました。
この本の著者はフォトジャーナリストの吉田ルイ子さん、私は20代のころから彼女に憧れ続けてきました。
フォトジャーナリストは、あえて訳せば写真報道家とでもいうのでしょうか?
写真が報道の「従」でなく「主」になり、独立して記者なしでも記事を成立させうるのが、カメラマンとの違いです。
吉田ルイ子さんは、アナウンサー勤務ののちにアメリカに留学して写真を学びました。
公民権運動のさなか、ハーレムに住んでそこに住む人々を撮り続け、その後ベトナム戦争下の女性や子どもたちを撮りました。
暴動や戦争そのものでなく、その時に「普通の生活」を送っていた人々の姿を切り取ろうとする彼女の視点がとても好きです。
決して派手ではないけれど、彼女の写真は被写体の胸の内を確かに伝えていて、見るものを立ち止まらせる、強い力があります。
『華齢な女性たちーbeautiful age』
吉田ルイ子が美しく齢を重ねる女性を撮る
この本の初版が出たは2001年。
17年も前から女性が年齢を重ねることの美しさに焦点を当てていたなんて、さすがルイ子さん。
この本は、30人の女性の取材当時の写真と簡単な紹介文とで構成されています。
30人の女性の年齢は全員60歳以上で、それぞれの分野で活躍する人たち。
瀬戸内寂聴、穐吉敏子、今井通子、小倉遊亀、宮城まり子、美輪明宏、落合恵子など、吉田ルイ子が、どうしても撮りたいと思った女性たちです。
この写真集を撮るきっかけとなったルイ子さんの熱い思いを、あとがきから引用します。
60歳を迎えた頃、海外取材ばかりを続けてきた自分が、母国である日本の女性たちをほとんど撮っていないことに気づいた。日本の風土・社会・文化の中で美しく齢を重ね、自然体で輝いて生きる女性たちに出会いたい、そしてファインダーを通して生命(いのち)の輝きをシェアしたい! 恋慕ともいえる押さえがたい思いが高揚していったのだった。
『華齢な女性たちーbeautiful age』、あとがき、p127
「華齢な女性たち」は本当に美しかった
3年もの歳月をかけてていねいに取材されてできたこの本は、とても重みがあります。
30人もの、それも多くの苦難を乗り越えて、道を究めた人の人生が凝縮された本。
けれど、そんな方々の笑顔が、みな少女のようにまぶしく、チャーミングなんです。
たとえば、1929年生まれ、日本人として初めてバークリー音楽院で学び、アメリカでジャズピアニストとして活躍し続け、今も世界中で演奏する穐吉敏子のページから、紹介文の一部をご紹介します。
“ロング・イエロー・ロード” は超えましたか? ときくと、「いいえ、まだまだ、長いです。生まれ育った中国をジャズ語で表現しなきゃ」と言い切った。クリスマスを前に「ルーちゃん(夫のルー・タバキンさん。サックス、フルート奏者)とイタリアでデートするの」とはしゃぐ彼女。生きることにひたむきな”童女の若々しさ”を感じた。
『華齢な女性たちーbeautiful age』、「穐吉敏子 Akiyoshi Toshiko」、p10
※"ロング・イエロー・ロード”:1975年にリリースされた、穐吉敏子=ルー・タバキンビッグバンドのアルバムで穐吉敏子の代表作。表題曲は穐吉敏子作曲。
そして、隣のページには目を輝かせて、いたずらっぽく微笑む穐吉さんのお顔の写真。幾重ものしわは、むしろチャームポイント。
次のページではピアノの前に座る彼女。芸術家そのものの、音楽に没頭する表情。
現在もテレビで大活躍する美輪明宏のページはこんな風です。
「泉鏡花の世界に出てくる、素足で塗り下駄の上にシャンと立っているような、意地と気品と俠気のある、そんな女がわたしは好きよ!」
オーストリア王室最後の王妃、エリザベートを華麗に演じる美輪明宏さん、舞台の虚構以上に美しい虚構を、人生に作り上げてきた大女優。男でもない、女でもない、性も時代も国境も越えた、荘厳な観世音菩薩のように、私には思えてきた。『華齢な女性たちーbeautiful age』、「美輪明宏 MIwa Akihiro」、p78
※俠気:おとこぎ。犠牲を払って人に尽くしてやる気性。義俠(ぎきょう)心。
隣のページでは白いピアノにもたれて妖艶に微笑むミワサンの写真。
端正で美しい顔立ちとたくましい体つきがアンバランスなところがまた素敵だ。
次のページにはエリザベートになりきった、舞台の美輪明宏の写真。
30人の中には、政治関係者もいて、勉強不足の私は全く知らない方も多いのだけれど、分かりやすく書かれた略歴や親近感が持てるエピソードの記載で、読み物としても面白いんです。
そして、全ての方が、100歳を超えた小倉遊亀さんも、みなさん、とんでもなく若々しい。
化粧が濃いのは事情があるミワサンだけで、他の方は若作りに努力は払っていないように見えます。なのに、初々しく、はつらつとしている。そして自信に満ちている。
そんな30人を撮った吉田ルイ子さん。
私はあなたこそ、まぎれもなく「華齢な女」だと思う。
あとがきの冒頭はこんな言葉です。
最も興味ある被写体は? とよく訊かれる。私は即座に"顔"と答えてきた。
かつて大宅壮一氏は「男の顔は履歴書、女の顔は請求書」と言った。大宅氏は私が尊敬するジャーナリストのひとり。それ故にこそ、女性を男性の従属あるいは所有物のごとく表現した彼の言葉に、私は疑問を抱きつづけてきた。顔は人間の過去・現在・未来の生きざまを、国境・年齢・ジェンダーを越えて一番強く体現している。39年を超すフォト・ジャーナリストのキャリアの中で、私自身常にそう感じてきたからだ。『華齢な女性たちーbeautiful age』、あとがき、p126
そして、あとがきの最後には、吉田ルイ子さんの自筆で、こう書かれています。
女の顔も履歴書です
『華齢な女性たちーbeautiful age』、あとがき、p129
『グレイへアの美しい人』この本で髪色も人生も選び取ろう!でも、年齢を経てグレイヘアで潔く美しく生きる女性が多く紹介された本のレビューを書いております。
よろしかったら、そちらも是非。
私もいつか「華齢な女」になれるように
やはり、私は外見が10歳若く見えるように努力をしようとは思えないのです。
おしゃれは好きだけれど、自分に似合って心が躍るような、そんなおしゃれであれば、年齢相応でも老けて見えても、全然かまわない。
まあ、人に不快感は与えないようにしますが。
それよりは、本を読んだり音楽を聴いたり、ほんの小さなことでも良いから世の中のために働いたり、弱い人に寄り添ったり、したい。
自分の人生に、今より少しでも自信が持てるような何かのために、時間やお金やエネルギーを使っていきたいと思うのです。
そうしているうちに、加齢が華齢になったらと願う私です。
若々しさに関する記事は、いくつになっても若々しい人でいるために本当に大切なことは?なんていうのもあります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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