“Isn’t She Lovely” その魅力と名カバー!|ゴニョ研

2019年3月8日ジャズおすすめ

女の子が草原を走っているイラスト

今回は、“Isn’t She Lovely"のオリジナルの魅力と、ジャズを中心に、数々のミュージシャンの素晴らしいカバーをご紹介!

ロリンズ、サンボーン、ミルト・ジャクソン、トム・ミッシュ、ジェイコブ・コリアーなど、名演だらけ!

ジャズ好きでなくても、楽しめます。

もちろん全曲試聴できます!

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Stevie Wonder の “Isn’t She Lovely"! 愛にあふれた喜びの歌


収録アルバムSongs In The Key of Life
リリース:1976年
Personnel
Stevie Wonder
Gregpry Phllinganes (key)

この曲はスティーヴィーが娘アイシャの誕生の喜びを歌った曲として有名です。

赤ちゃんの泣き声から始まり、それに力強いドラムの音が絡みます。
イントロからもう胸がワクワク!
スキップしたくなっちゃう!

スキップのイラスト

そしてハーモニカソロ。
もちろん演奏はスティーヴィー。
テーマのメロディを大切にしつつも、徐々に変化し盛り上がります。

このバックに聞こえてくる可愛い声や水遊びの音。
これはスティーヴィーとアイシャの会話なんですね。

お父さんと赤ちゃんが手をつないでいる写真

世界中のファンを熱狂させる、音楽の神の生まれ変わりのようなスティーヴィー・ワンダー。
そんなスティーヴィーの曲の中でも、その美しさと躍動感で高い人気を誇るのが、この “isn’t she lovely"

そしてね、私の周りの音楽好きは、みんなこの曲が大好き。
だから、“Isn’t She Lovely" には、きっと素晴らしいカバーがたくさんあるだろうと思ったのです!

やっぱり、感動的な名カバーだらけでした!!
厳選に厳選を重ね、絶対に聴きたい10の作品をご紹介します。

音楽配信サービス"Spotify"は登録さえすれば30日間無料で音楽が聴けます。
ここでご紹介している曲がフルバージョン聴けるのみでなく、他の曲も聴けるので、よろしかったらお試しくださいね。

Sonny Rollins

Easy Living (1978)
Sonny Rollins (ss,ts)
George Duke (kyds)
Charles Icarus Johnson (g)
Byron Miller (el.b)
Tony Williams (ds)
Bill Summers(per)

ロリンズ熱すぎ。
残念ながら試聴はギターソロ。
是非ともロリンズのソロを聴いていただきたい!

ギターはギュインギュイン言わせすぎて、ちょっとロックみたいですけどね。

でも、バンドの面々の笑顔や、ドヤ顔、顔を見合わせてニンマリする様子が、眼に浮かぶような演奏じゃないですか!

SonnyRollins.jpg
By
英語版ウィキペディアBrianmcmillenさん – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

後半のロリンズのハイトーン。
全く音出てなくても、情熱が伝わりますよね。
ジョージ・デュークはイントロからジョージ・デュークそのもの。

私、初めて聴いた時、なんか疲れるよなあって思ってたんです。
これね、1回でやめちゃダメなの!
何度も聴くと、聴き直す度好きになります。

David Sanborn

Timeagain(2003)
David Sanborn-alt sax
Steve Gdd-drums
Christian McBride-bass
Russell Malone-guitar
Ricky Peterson-keyboards
Alfred Brown,Olivia Koppell-viola
Jesse Levy,Caryl Paisner-cello

ロリンズを聴いて、ちょっと疲れたでしょ?
落ち着きましょうね。
デヴィッド・サンボーンです。

指を3本立てているイラスト

サンボーンは映画俳優なのかっていう色男じゃないですか?

それで、こんな豪華キャストで、こんな色っぽい演奏って罪じゃないの?

って思ったんですけどね、55歳過ぎるとムラムラするよりね、眠くなるの。

夫ぽんぽん
夫ぽんぽん
最中だって眠れます!

この、サンボーンのヴァージョンは、エンディングで、チェロとビオラの旋律が流れつつ fade outするアレンジが粋!

ストリングスアレンジは、Gil Goldestein
この人は、ジム・ホールとも共演歴のあるピアニストでアレンジャーです。

Milt Jackson and The Monty Alexander Trio

Soul Fusion (1978)
Milt Jackson (vibraphone)
Monty Alexander (piano)
John Clayton (bass)
Jeff Hamilton (drums)

目が覚めますね。
名演奏確実のメンバー。
おまけにプロデューサーはノーマン・グランツです。

アルバムタイトルも凄すぎ。
Soul Fusion
魂の融合ですよ。

ミルト・ジャクソンが素晴らしいのはもう当たり前ですが、モンティも負けてないです。
こういう曲をモンティ節にするのはお手の物。

ものすごいスピード感と躍動感です。
が、クレイトンのベースソロは一転しみじみとして、実に味があります。

富士山の湖の写真

元気すぎて喋りすぎる先輩2人を向こうに回し、観客をうっとりさせる手段を本当に心得ているクレイトン。

ベースを抱えるクレイトンの顔も思い浮かびます。

楽しくて何度も聴いてしまいました。

このメンバーのThe Monty Alexander Trio のスタジオセッション動画をご紹介していますので、そちらもぜひご覧くださいね。

Tom Misch

Geography (2018)
Tom Misch guitar
Paul Castelluzzo guitar

トム・ミッシュは、1995年生まれ。
ロンドンを中心に活動するビートメイカー、プロデューサー、シンガー・ソングライター。

16歳の時に作品をストリーミングサイトに投稿すると、爆発的な再生回数でたちまち話題となりました。

その後は自らのレーベルを立ち上げ作品を発表して高い評価を得ていたようです。
で、この “Geography" がメジャーデビューアルバム。

Tom Misch, The Novo, April 2018 (cropped).jpg
By
Justin Higuchihttps://www.flickr.com/photos/jus10h/39830324440/, CC BY 2.0, Link

すばらしい!
シンプルでセンス抜群のフレーズ。
涙が出そうな歌心あふれるプレイでしょ?
23歳って、ほんと?

でも、この曲終わるの早すぎ!
フルバージョンが1分18秒。
ソロが1コーラスだけでテーマに戻らず終わりなんです。
絶対ソロ、どんだけでもできるよね、この人!

アラサー娘
アラサー娘
ケチじゃね?

Biréli Lagrène & Sylvain Luc

Duet (1999)
Biréli Lagrène (g)
Sylvain Luc (g)

私は数年前に、このデュオを初めて聴いた時、驚きのあまり本当に目が飛び出すかと思いました。

この2人のことは、“Guitar Records" というギター音楽専門の販売サイトに紹介してもらいましょう。

夫ぽんぽん
夫ぽんぽん
そんなサイトあるんだ?!
おそるべしギターファン!

■Bireli Lagrene ビレリラグレーン
1966年フランス生まれ。ジャンゴの後継者と呼ばれた少年時代。現代のジプシースウィングジャズギター最高峰の名手で、あの泣く子も黙るスーパーギタートリオにパコデルシアに変わって加入した凄い人。

■Sylvain Luc シルヴァンリュック(g)
9歳で兄と一緒にレコードデビュー。ギター以外にもマンドリンやヴァイオリン、チェロ等をマスター。ジャンゴラインハルトやエグベルトジスモンチ、ジェフベックに影響を受ける。彼もまた超絶ギタリスト。

Guitar Records,最強ギターデュオ決定版!■Sylvain Luc – Bireli Lagrene / Duet

パーカッションが入ってるのかしらと思うほど、パーカッシブで歯切れの良いバッキングや、表現力溢れるメロディ。
ギターという楽器の素晴らしさを改めて知るような名演奏ですよね。

Frank Sinatra


Baby Blue Eyes… May The First Voice You Hear Be Mine (2018)
パーソネル不明

この曲は、フランク・シナトラの娘、ティナ・シナトラが選曲したコンピレーションアルバム “Baby Blue Eyes… May The First Voice You Hear Be Mine" に入っているそうです。

アルバムタイトルが、やけに長い。

“discovermusic" というサイトの情報によれば、こんなことです。

アルバムのタイトルは、パフォーマンスの終わりに観客に向かって言うなじみ深いフランク・シナトラの挨拶 “May you live to be a hundred and the last voice you hear be mine(皆さんが100歳までご健在でありますように。そして最期に聞くのが私の歌声でありますように)"をもじったもの

「フランク・シナトラの娘ティナ・シナトラが新しいシナトラのコンピを制作」discovermusic

このコンピレーションアルバムは、シナトラの愛が込められ、そして人々から愛された曲を選んだもの。

Frank Sinatra Can-Can.jpg
By 20th Century Fox – Original text : eBay
front
back
full front), Public Domain, Link

シナトラはいつ聴いても、あたたかい気持ちになれます。

この曲を、歌ってくれていたなんて。

心からありがとうと言いたい。

Joe Alterman

Comin’ Home to You (2016)
Joe Alterman-piano
Nathaniel Schroeder-bass
Doug Hirlinger-drums

演奏者を確認しないで聴いていたら、またモンティかと思っちゃいました。
モンティばりにスウィングする、この若手ピアニストは Joe Alterman.

左はトランペットのレジェンド、ウィントン・マルサリス、右がJoe Alterman。
彼はまだ30歳そこそこ。

なのにすでに、ラムゼイ・ルイスやレス・マッキャン、そしてモンティにも、その絶妙なスウィングを絶賛されています。

著名なジャズ評論家Nat Hentoffに、すでに3回紹介されています。

詳しくは彼のページ、Joe Alterman website へ。

こんなに素晴らしいピアニスト、全然知りませんでした。
やっぱりアメリカは層が厚い!

Jacob Collier

pure imagination – the hit covers collection (2017)

以前にも紹介していますが、これ、歌の各パート、ドラムもベースもパーカッションもピアニカも全てジェイコブ・コリアー。

クィンシー・ジョーンズに可愛がられ、ハービーに将来を期待され、チックに激励され、パット・メセニーに賞賛されるジェイコブ君。

すでにスティービーと数回会い、「いつか一緒にやろう」と約束しているそうなんです。

「彼と最初に会ったのはLAだった。同じイベントでプレーしていて、彼に会うために舞台裏で待ってたんだよね。で、やっと会えて、自己紹介して『会いたかったんです!』って言ったんだ。すると彼は『きみは私の曲をカバーした子だな』って。そのときの会話はそれだけだったけどさ、感激しちゃった(笑)」

【ジェイコブ・コリアー】「全部ひとりでやってみた」でグラミー2部門受賞!子供部屋から世界に打って出た“神童”の本音 取材・文/山下 実 2017.11.17

ただのマルチプレイヤーとは次元が違う彼の素晴らしさは、保存版!ひとりアカペラ超絶テク5人・厳選名動画でも、ご紹介していますので、よろしかったら、ぜひのぞいてみてください。

Toots Thielemans/Bill Ramsey

When I See You (1980)
Toots Thielemans (hca,g)
 Bill Ramsey (vo)
Isla Eckinger (b)
Rob Franken (key,p)
Billy Brooks (per)

最初の1小節を聴いたらトゥーツだとわかります。
スティービーのハーモニカも大好きだけれど、トゥーツのハーモニカの美しさは格別!
風が吹き始めるような、空気の流れが変わるような、そんな感じがあるでしょう?
一瞬でトゥーツの国に連れて行かれます。

さて、”Isn’t she lovely” って、4ビートでブルージーな曲でしたっけ?

そして、Rob Franken のオルガンは最高!
Bill Ramsey の歌は、本当に黒人のソウルを歌いあげているわ〜。

きっとニューオリンズかどっかで生まれて、小さい時から教会でゴスペルとか歌ってたんでしょ。

そんな想像をしながら検索してみたら、Billちゃんは、真っ白な人でした。

Maceo Parker

It’s All about Love (2018)

Maceo Parker (sax,vo)
Karolina Strassmayer (as)
Carroll Dashiell (e-b)
Paul Shigihara (g)
Frank Chastenier (piano)
Cora Coleman (ds)

Michael Abene : WDR Big Band cologne arranged & conducted

trumpet: Wim Both, Rob Bruynen, Andy Haderer, Ruud Breuls, Frank Wiese
trombone: Ludwig Nuss, Andy Hunter, Shannon Barnett
bass trombone: Mattis Cederberg
alto sax, woodwinds: Johan Hörlen, Karolina Strassmayer, Olivier Peters, Paul Heller
baritone sax, woodwinds: Jens Neufang
percussion: Marcio Doctor
HMV,"It’s All about Love"

トリは、この人に飾ってもらいましょう。

ファンキーなサックスといえばこの人、メイシオ・パーカー。
バックはドイツの名門 WDR ビッグ・バンド。

75歳なんですって。

60年代、あのジェームス・ブラウンのバック・ホーンズ、JB’sのメンバーでした。

プリンスとも共演し、ずっとギラギラしていた彼は、今もギラギラしています。

この変わらないギラギラしたサックス。

Maceo Parker Band Liri Blues 2009.jpg
By Simone Quattrociocchi – The author (Simone Quattrociocchi) gave me the file,
CC BY-SA 3.0, Link

始めに聞いたソニー・ロリンズの演奏は、47歳の録音。
メイシオ75歳と大差ないような気がしません?

死ぬまでバリバリノリノリでいてほしい。

“Isn’t She Lovely"は名演を引き出す名曲だった!

いかがでしたか?

本当に名演ぞろい。
そして、どの演奏もスティーヴィーのオリジナルへのリスペクトが感じられます。
名演は、オリジナルをリスペクトしつつも演奏家の個性が光ります。

この曲はスティーヴィーの曲の中では1コーラス16小節と短く、構成も単純。
演奏してみると結構コード進行は複雑で難しかったりするんですが、ハーモニーはメロディにぴったりで、とっても自然。

1度聴いたら忘れられないキャッチーなメロディと躍動感あふれるリズム。
ギターソロやデュオでのカバーもたくさんありました。

ギターを弾く2人の写真

少ない楽器で演奏しても、この曲の醍醐味(だいごみ)は失われない。
そのことがきっと、多くの音楽家の名演を引き出す鍵なんだと思います。

私にも、この曲には忘れられない思い出があります。

30年前、娘の出産直後に、夫がこの曲を録音したカセットテープを病院に持ってきてくれたのです。
もちろん、夫がそんなことを企んでいることは全く知らなかった私。

この曲を聴くと、その時の喜びが蘇ります。

アラサー娘
アラサー娘
生まれてやった私に感謝しろよ。

スティーヴィーのデビューから現在までの名曲を聴きながら、彼の音楽人生をたどる、スティーヴィー・ワンダーの名曲!聴くだけでわかる彼の音楽人生も、ぜひ。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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