海野雅威! ハーグローヴ・クインテット初の日本人|ゴニョ研

2018年2月2日ジャズおすすめ

ロイ・ハーグローヴ・クインテット!フランス公演動画をご紹介!

今回はロイ・ハーグローヴのフランス公演動画をご紹介します。
でも残念ながら私、余り曲目が分かりません。

猫様
猫様
は? 曲名もわからへんのに、その動画を紹介するっちゅうのは、どういうこと?

いや、まあ、難しい解説はどうせできないんです。ロイ・ハーグローヴに限らず、すべての物事に対して「こんな感じ?」って感じ。

猫様
猫様
まあ、そういわれてみりゃ、いっつもそんな感じやわな。

で、この動画を何回も見てるけど情けないことに曲名なんて2,3曲しかわからない。どなたか、お分かりになる方がいたら、ぜひとも教えていただきたいです。

猫様
猫様
ごちゃごちゃ言うてんと、はよ動画見せたりいな!

ロイ・ハーグローヴ・クインテット!キレッキレのメンバー

はい…。じゃ、メンバー紹介を。
動画の中に書いてあるんですが、フランス語なんで念のためお示しします。

  • Roy Hargrove :フリューゲルホルン,トランペット
  • Justin Robinson:アルトサクソフォーン
  • Tadataka Unno:ピアノ
  • Ameen Saleem:ベース
  • Quincy Phillips:ドラムス

ちらっとメンバーのことを調べてみました。

Justin Robinson(ジャスティン・ロビンソン、sax )は、1968年生まれでCarnegie Hall Jazz Band、Dizzy Gillespie All Star Bandなどでの演奏歴を持ち、91年にソロアルバムを発表し、2006年以降のハーグローヴのアルバムに参加しています。チャーリー・パーカーに最も影響を受けたというのは、動画を見ているとうなずけます。

Tadataka Unno は日本人ピアニスト海野雅威(うんのただたか)さん。
1980年生まれで東京藝術大学卒業後、日本でジャズミュージシャンとして活動したのち、2008年よりNYに拠点を移し、ジミー・コブ・トリオなどで活躍。2016年から、ロイ・ハーグローヴ・トリオに参加。

Ameen Saleem(アミーン・サリーム、bass)は、1979年生まれで、2015年のリーダー作ではサイラス・チェスナット、ロイ・ハーグローヴ、グレゴリー・ハッチンソンなどをゲストに迎え、ネオ・ソウル、ファンクなどにも取り組んだようです。

Quincy Phillips(クインシー・フィリップス、Drs)は、ムチャクチャかっこいいドラム叩くのに、情報が全然収集できなくて…。自営業でボルチモアに住んでいるということくらいしか分かりません。

この動画は2017年10月28日、フランス、クレルモン・フェランで開かれたジャズフェスティバルでの演奏を記録したものです。このフェスティバルは10月24日から5日間も開かれていて、ハーグローヴ・クインテットは最終日の最終セットの出演。トリですね。ほかには Wallace Roney Quintet なんかが、出演していました。5日間も行われるジャズフェス、行ってみたいなあ。
では、ちょっと長いですが、動画をお楽しみください。

見ごたえ満点! ロイ・ハーグローヴ・クインテットライブ!

突然ですが、本当に悲しいお知らせです。
2018年11月2日、ロイ・ハーグローヴは心不全で亡くなってしまいました。
ロイの音楽の功績をたたえ、追悼の意を込めて、追悼・ロイ・ハーグローヴの名演名盤を聴こう!という記事をまとめました。
ロイの代表的なアルバムや、ロイが関わったディアンジェロのアルバムなどが試聴できるほか、ロバータ・ガンバリーニやジョニー・グリフィンとの共演動画や、ロイ・ハーグローヴ・クインテットのスタジオセッションの動画などもご紹介しています。
よろしかったらご一読を。

いかがでしょう?
1曲目が、けっこう難解でアドリブ中心の曲なんで、全員キレッキレだなあくらいしか、分かりません。ハーグローヴの靴の色がかわいいとか、海野さんのシャツの柄が素敵だとか、そんなところばかり見てしまいます。

2曲目は、美しいバラード。フリューゲルホルンの音がピッタリの旋律です。スタンダードっぽいなあと思うのですが、曲名は分かりません。オリジナルかも。海野さんのピアノは本当に美しい音色。こんな伴奏で吹くハーグローヴは、さぞ気持ちが良いことでしょう。バラードを聴いてつくづく思うのは、海野さんは自分でイメージした音が出せないということが、きっとないんだろうなあということです。どんな曲でもあまり大音量で弾かない彼ですが、どんなにピアニッシモにしても美しい音が出せて、アクセントやタッチやダイナミクスが完璧にコントロールされている。ピアノという楽器を知り尽くして、鍵盤の音域をフルに使い、あらゆる手段で自分のイメージを音にする海野さん。神々しくて拝みました。

流れるように3曲目。3拍子と思ってたら拍子が変わるわ~。なんて難しい曲~。海野さんのソロは、やっぱここは挑戦的だけど、でも全然音が濁ったりしない。どんなに早いフレーズも、そして、どんなに和音を連打しても。

12分58秒くらいで4曲目が始まります。凄く素敵な曲だけど、曲名不明。そして、テーマの頭のリズムはなんという名前のリズムなのかもわからない。カッコいいリズムですね~。ハーグローヴのソロでは、ハーグローヴの印象的なフレーズを海野さんがすぐさま繰り返して弾いて、とても素敵なバッキング。ジャズは対話の音楽ですものね。常に周りの音を聴いて、敏感に反応するのが大事です。海野さんのソロは高音できらびやかに奏でたかと思うと、低音でゾクゾクするような重厚なフレーズを繰り返す。ピアノって、こんなに魅力的な楽器だったっけって思うのですよね。テーマに戻るとなんとハーグローヴの歌。ふんふん、悪くないけど、やっぱトランペットの方が好きだな。
まあ、ハーグローヴがアル・ジャロウみたいに歌ったら目が飛び出ますよね。

海野ワールドのソロに胸がときめく!

ちょっと飛ばして、
28分5秒から始まる8曲目、私が大好きな “Strasbourg/St.Denis” について触れたいと思います。
ハーグローヴ作曲で、タイトルはパリのメトロの駅の名前だそうです。冒頭のベースソロが力強く、本当に音が良いのには驚きです。休符の時でさえビートがビンビン感じられるような演奏に、しびれます。このベースソロの最後の小節で、一人でハモってます。ベースって2音同時に出せるんですか? 私、初めて知ったんですけど。1音をクリアに出すのも大変なのに2音て…。

でテーマのトランペットとサックスの2管の掛け合いのオツなことったらないです。そして海野さんのソロ。テーマが印象的でかっこよくて力強い曲を、アドリブするって難しいと思うんですよね。テーマのイメージが強すぎて。リズムも、これは 16beat で取るのが正しいんでしょうか? ちょっと跳ねてます。海野様は原曲のイメージを残しながらも、もっと軽やかで優しい、ちょっとおちゃめな海野ワールドを展開してくれます。テクニック的にはきっと難しいことをたくさんやっているのだけれど、ゴリゴリ押しまくる感じがしない。むしろ控えめで言ってみればお茶漬け風。なのに、とっても魅力的。ソロが終わりに差し掛かってテーマに戻る寸前の最後の小節、ドラムのフィルが激しく鳴り始めるところは、何回聴いても胸がときめきます。お客さんも喜んでるのが伝わりますよね。
そして、ホント楽しいのがハーグローヴ。ドラムの後ろやら袖やら、ウロウロしながら、時々立ち止まって、ご機嫌で踊っています。それが、
どこのおっさんやねん!
って、ダンスなんですよね。
まあ、ここでハーグローヴがブルーノ・マーズみたいに踊ったら、顎が外れますけど。

残念ながら、海野さんがピアノを弾く、この曲の録音はないんです。だいぶ前ピアニスト、ジェラルド・クレイトンが弾いたものは、2008年の “Ear Food” というアルバムに入っています。

マイケル・ジャクソンの“Rock With You” が最高!

32分06秒で、メンバー紹介から流れるように9曲目になります。ハーグローヴが、どうも何度もしつこく歌ってるなあと思ったら、お客さんにこのフレーズを歌わせるために覚えさせようとして何度も歌ってたんですかね。

37分 8秒くらいから、ハーグローヴはむちゃカッコいいスキャットで歌い、その後、

“Now You”

とか言って、客席を指さし、指揮までしだすけれど、お客さんの声は今一つ。

そりゃあ難しすぎだろっ!! そのフレーズ!! 

って、私は思うんですが、私が音痴だから歌えないだけ?

48分50秒あたりで始まる12 曲目がとってもポップですね。
この曲は、サム・クックの ”Soothe Me” 。
海野さんがニコニコしながら立ち上がって弾いたり、ブレイクっぽいところで手を叩いたりするのが、とってもチャーミング。バンドも楽しそうです。しかし、ピアノの細かい刻みに全くブレがなくて恐ろしいです。

50分30秒くらいで、ハーグローヴが「おっさん踊り」の再演で笑わせてくれます。
51分20秒くらいからの 13 曲目は、マイケル・ジャクソン “Rock With You” ですよ。これをフリューゲルでやるとこが、また渋いですね。そして、次を見逃してはいけません。

51分45秒で、ドラムの クィンシー・フィリップスが、カメラに向かってニコニコしながらスティックをバトンみたいに回転させてキャッチします。

余裕ありすぎだろっ!!
ロックバンドか?!

猫様
猫様
ちょっと落ち着いてえな。

はい…。こういう曲、とても楽しいです。なんて歌心のあるフリューゲル。そしてむちゃタイトなドラム!! フィリップスはアフリカっぽい、土の匂いがするようなドラムなんですが、個性的で最高に安定感があってタイトで、素晴らしいです。シンバルの形がバネみたいだけど。

ああ楽しかった。

このライブが全曲、リハなし、曲目予告なしで演奏されたなんて全く信じられません。
バンドメンバー全員が、どんなにヒートアップしても、どんなにアップテンポの曲でも、全く乱れず、最高に安定していて無駄がなく、なおかつ表現力豊かなのには、本当に驚かされます。
海野さんの演奏は、常にバンドとの調和を大切にしていて、リズム隊なしのソロだってむちゃくちゃスウィンギー。そして、私のひいき目かもしれないんですが、私が動画で見た、だいぶ前のピアニスト、ジェラルド・クレイトンの時よりもバンド全体の雰囲気が明るくて楽しそうなんです。みんなアンサンブルが楽しくてたまらないというのが、よく出ていて、とてもいいムード。

本当に楽しいライブでした!

そうそう、音楽界きってのおしゃれさんのロイ・ハーグローヴ。
彼のファッションは素敵ですよね。
ブルーノートに行くなら読んでから!BNのための爆笑服装講座ではブルー・ノートへ出かけるあなたに、ミュージシャンに合わせた服装をご提案しています。
よろしかったら、そちらもぜひ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

海野雅威のリーダーアルバムの全て、参加アルバムの一部はご紹介記事を書いております。
アルバム一覧はこちらの記事にあります。

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