Jazzmeia Horn 初来日with Tadataka Unno・ライブレポート|ゴニョ研
こんにちは
ガッツかよめです。
ジャズメイア・ホーンの初来日公演を聴きに、東京のコットンクラブに行ってきました。
海野雅威さんのピアノがどうしても聴きたかったから。
海野さんとジャズメイアは、こんなステキな関係なんですね。
私、ジャズメイアのことはよく知らないので、レポートを書くつもりはなかったんです。
でも、公演が終わって海野さんに写真を一緒に撮っていただいたとき、「初めて聴くジャズメイアはどうでした?」って聞かれたんです。
そりゃ、ジャズメイアの最新アルバムは何度か聴いていました。
彼女のプロフィールも読みました。
だから、いろいろ語ることができたはずなのに、私は
「素晴らしかったです。でも海野さんも素晴らしかったです」
なんて、「ゾウさんもキリンさんも好きです」みたいな幼稚園の子のようなことしか言えなかったんですよ。
Jazzmeia Horn 初来日公演の感想を書きたい!
それがもう、気になって気になって…。
だから、レポートを書くことにしました。
Jazzmeia Horn のスキャット炸裂!驚異の音楽力に脱帽!
さて今回の公演は東京のコットンクラブのみで、12月5〜7日の3日間、1日2ステージ行われました。
私が聴いたのは、6日の1stと7日の2ステージの計3回です。
バンドは小編成でしたが、ピアノはもちろん、ベース、ドラムとも、恐ろしいほどの存在感でした。
Jazzmeia Horn (vo)
海野雅威 (p)
Rashaan Carter (b)
Anwar Marshall (ds)
長いソロも、ジャズメイアとのバースもあリました。
そもそもジャズメイアのオリジナルはメロディもコード進行も複雑な曲が多いんです。
そんな中で、どんな高度なテクニックを駆使しても余裕で、みんなニコニコしながら演奏してました。
反応の速さも格別。
私が見た3回は、ほぼ満席で比較的年齢層の高いお客さんが多かったです。
ジャズメイアはとにかくおしゃれでスマート。
そして、とても堂々として、大地にしっかり立っている感じ。
それにいつも衣装がとっても可愛い。
来日ステージは、彼女の2枚目のアルバム “Love and Liberation" のナンバーが中心。
“Free Your Mind", “When I Say","Green Eyes" などです。
アレンジもアルバムと同じ雰囲気なのだけれど、やっぱりライブとなればスキャットは炸裂です。
6日のステージではハイトーンを繰り返すソロが多くて、実は私、「ちょっと疲れるな」なんて思ってしまったのです。
考えてみれば、予習したといっても、数回聞き流しただけ。
もともと耳の悪い私が、そんなことでジャズメイアの複雑な曲を覚えられるわけがありません。
ところが、ところがですよ。
3ステージを真剣に聴くと、ちょっと曲を覚え始めるわけですよ。
そうしたら、なんて魅力的な曲なんだろうと思えてきたんです。
よく聴いてみると、彼女のスキャットは本当にバリエーションが豊富。
一般的な、ダバ、ラリ、ウィビ、ウィブ、などに加えて、鳥のさえずりのようだったり、アフリカの打楽器のようだったり。
そして、歌うように詞を読んだり。
“Out the Window" のようにテーマが既にヴォーカリーズのような曲もある。
そして彼女は、管楽器のように速いフレーズを歌うのはただの手段にすぎず、それによって歌に込められた思いを表現するのが大切なのだと言わんばかりに、驚くほど表情豊かに歌うのです。
彼女にはいつも伝えたいことがある。
だから歌っているのだと。
そして、いつも実に楽しそう。
ボビー・マクファーリンやアル・ジャロウや、ジョン・ヘンドリックスを思い出します。
でもジャズメイアはジャズメイア。
エリカ・バドゥの “Green Eyes"、ジョン・ヘンドリックスの “No More" などカバー曲を歌っても、いざなわれるのは、ジャズメイアの世界そのものなのです。
そう、アレンジもすごい。
試しに、ジョン・ヘンドリックスのオリジナルの “No More" とジャズメイアのそれとを聴き比べてみてください。
“East of The Sun(and West of The Moon)"、"Skylark" などのスタンダードも、オリジナリティに溢れた素晴らしい歌唱でした。
テーマのメロディのフェイクも大胆で、彼女の中には常に彼女なりのフレーズが溢れているんだなあと感心しました。
ジャズメイアの素顔はお茶目な20代
28歳にして、エラやサラのようなジャズメイアなのですが、お茶目な面もあるようです。
千秋楽ともいえる、最後の日の最後のステージの中盤。
ステージの真ん中で熱心に海野さんのソロを聴いていたジャズメイアが、突然、身をよじらせ、声を押し殺して笑い始めたのです。
時々チラッとドラムの方を見たりしながら、数分間、ピアノソロの間中、笑い続けていました。
私は、ピアノソロが終わったら歌えるのかしらとハラハラしましたが、そこはプロ。
立派に歌っていました。
後から友人に、笑っていた原因は最前列中央のお客さんが爆睡していたからだと聞いてびっくり。
爆睡の人は、私と同様1stも聴いていて、ときどき「イェッ」なんて声をかけていた、ディープなファンと思しき方でしたが。
千秋楽のアンコールは観客との掛け合いも見事な “Night and Day"
そうこうするうちにアンコール。
アンコールは “Night and Day" 。
ソロの途中、ジャズメイアが観客に掛け合いを仕掛けます。
感心したのは、最初は単純なフレーズをまねさせて徐々に難しくする、彼女の見事な誘導です。
おまけに、最初にスキャットで歌わせておいて次に歌詞をつけるという手厚さ。
そうして、単純だけれど魅力的なフレーズにのせて、最高のバンドをバックに私たちが歌ったのは、こんな歌詞です。
“I love myself
I love myself
So I can love someone else"
私は今まで、いろいろなライブに行き、ロイ・ハーグローブにもTake6にも、振り返ればたくさんのフレーズを歌わされてきました。
が、私は今回、今までで一番気持ちよく、熱心に歌うことができました。
アンコールが終わり、退場する4人をスタンディングオベーションで見送り、ふと見ると、爆睡さんもスタンディングオベーションしていました。
ジャズメイア、大好きです。
次の来日公演もきっと聴きに行きます。
海野さんのピアノはやっぱり素晴らしすぎる!
今回も、海野さんのピアノは本当にドラマチックでした。
私がつくづく思ったのは、アドリブというのは瞬時に行う作曲なんだなということです。
海野さんのソロは、もちろんテーマのコード進行で演奏されるし、テーマのフレーズもしばしば使われたりします。
むしろ海野さんは、他のジャズミュージシャンに比べると、アドリブでテーマのフレーズを使う頻度は高いのではないかと私は思います。
それなのに、海野さんのソロは、ものすごくドラマチックな新たな曲が、そこに挿入されたかのような感動があるのです。
最高のセンス、繊細なアーティキレーション、考え尽くされた構成。
アドリブの始まりはテーマと同じ雰囲気で、安心して聴いていると、印象的なフレーズがどんどん積み重ねられ、いつの間にか雰囲気が全く変わり、「これからどうなるのだろう?」とドキドキしてしまいます。
超絶テクも見せてくれるけれど、決して曲芸の披露に成り下がらない、崇高な芸術がそこにあります。
海野さんのソロで、私は何度目を潤ませたことでしょう。
ソロばかりでなく、バッキングやちょろっと弾くフィルインなんかも最高なんですよ。
海野さんのピアノに鼓舞され、ジャズメイアの歌唱も輝いていました。
トミー・フラナガンに鼓舞されるエラ・フィッツジェラルドのように。
終演後は、海野さんに「素晴らしかった」と伝えたい人が列をなしていました。
この行列に並んでいた私に起こった驚愕の出来事については、爆笑小話・40代以上の女性は人生に悩んだら笑おう!をご覧ください。
本当に素晴らしかったです。
最初にご紹介した海野さんの FaceBook の投稿で、海野さんとジャズメイアが知り合ったのは、Winard Harper のバンドだと書かれていましたね。
Winard Harper & Jeli Posse のアルバムで、海野さんが弾いているのは、これです!
海野さんのピアノは4,5,6。
私は4と5が大好きで、ほぼ毎日聴いています。
海野さんの情報は、海野雅威の情報集結!ライブ・アルバム・お宝動画・逸話等一覧!試聴付で、まとめてご紹介しています。
よろしかったら、ぜひそちらもご覧ください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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