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ロイ・ハーグローヴの追悼コンサート!NYからジャズミュージシャンが消えた!
ロイ・ハーグローヴの追悼コンサートが2019年1月8日、ニューヨークのジャズ・アット・リンカーン・センター(JALC) で行われました。
5時間近くに渡り、ロイとゆかりの深いミュージシャン200名以上が次々に登場。
愛に溢れた演奏を繰り広げました。
この様子は、ロイのFaceBookページの動画で見ることができます。
ジャズファンなら、ロイのファンならずとも必ずや垂涎の名動画。
驚きの豪華メンバーの名演の連続!
でも長すぎる。
おまけにどこを探しても出演ミュージシャンのリストがない。
なので、作ってみました!
Roy Hargrove Musical Celebration の構成と演奏者リスト
まず概要をご紹介。
動画の全長は4時間40分程度。
前半の4時間程度と、その後の40分程度の2本に分かれています。
左端の項目は時間と動画へのリンクになっています。
時間表示をクリックして動画をご覧ください。
時間と動画へのリンク | 主な出演者 |
---|---|
開始から4時間 | ・RHBigband ・RHQuintet ・Dizzy Gillespie All-Star Big Band ・共演したレジェンド ・クリソル |
4時間以後 | RHFactor |
では、出演者の詳細を。
開始から4時間分はこの表で。
なにせ200人のミュージシャン。
とても長いです。
時間(約) | 曲目 | 演奏者 |
---|---|---|
0:13:00~ | 不明 | (1) Wynton Marsalis &Lincoln Center Jazz Orchestra |
0:27:00~ | 1.Velera 2.Roy Allan | (2) Roy Hargrove Big Band (3) Roy Hargrove Quintet (4) Saul Zebulon Rubin (g) |
0:38:00~ | 3.Ornithology | (2)~(4)に加えて (5) Giveton Gelin (Tp) |
0:43:20~ | 4.Everytime We Say Goodbye | (2)~(5)に加えて (6) Roberta Gambarini (vo) |
0:50:00~ | 5.September in the Rain | (2)~(5)に加えて (7)Theo Croker (Tp) |
1:00:45~ | 6.不明 | (8) Karriem Riggins (Dr) (9) Jonathan Batiste (p) (10) Antonio Hart (A.Sax) (11) Freddie Hendrix (Tp) (12) Christian McBride (b) |
1:15:30~ | 7.不明 | (13) George Cables (p) (14) Ray Drummond (b) (15) Gary Bartz (A.Sax) (16) Jimmy Cobb (Dr) |
1:25:30~ | 8.Peace | (13)~(15)に加えて (17) Dee Dee Bridgewater (vo) |
1:34:30~ | 9.不明 | (8) Karriem Riggins (Dr) (10) Antonio Hart (A.Sax) (5) Giveton Gelin (Tp) (18) Danton Boller (b) (19) Marc Cary (p) |
1:47:00~ | 10.Hot House 11.不明 | (20) Dizzy Gillespie All-Star Big Band (21) Cyrus Chestnut (p) (22) Michael Rodriguez (Tp) (10)Antonio Hart (A.Sax,vo) |
1:59:00~ | 12.Blue'n' Boogie | (20)~(22),(10)に加えて (17) Dee Dee Bridgewater (vo) (6) Roberta Gambarini (vo) |
2:05:00~ | 13.Things to Come | (20)~(22),(10) |
2:17:00~ | 14.Nearness of You | (23)Nora Jones (p,vo) |
2:21:30~ | 15.Top of My Head | (3) Roy Hargrove Quintet (5) Giveton Gelin (Tp) |
2:30:30~ | 16.不明 | (3),(5)に加えて (24) Aida Brandes Hargrove (vo) |
2:39:00~ | 17.Something To Believe | (3),(5)に加えて (25) Renee Neufville (vo) |
2:44:30~ | 19.Strasbourg /St.Denis | (3),(5)に加えて (26) Gerald Clayton (p) |
2:50:30~ | 20.Sweet Hour of Prayer | (21) Cyrus Chestnut (p) |
2:53:05~ | 21.I Remember Clliford | (21)に加えて (6) Roberta Gambarini (vo) (18) Danton Boller (b) (27) Steve Davis (Tb) (28) Willie Jones III (Dr) |
3:04:00~ | 22.The Mountaings | (29) Chucho Valdes (kb) (30) John Hicks (p) (31) John Benitez (b) (32) Russell Malone (g) (33) Ed Cherry (A.G) (34) Jacques Schwarz-Bart (T.Sax) (35) Horacio "El Negro" Hernandez (Dr) (36) 不明 (perc) (22) Michael Rodriguez (Tp) |
3:12:00~ | 23.Una Mas 24.Mr.Bruce | (22),(29)~(36)に加えて (15) Gary Bartz (A.Sax) (37) Sherman Irby(as) |
3:37:00~ | 25.不明 | (38)Lezlie Harrison (vo) (4) Saul Zebulon Rubin (g) (39)Ben Paterson (org) (40)Evan Sherman(Dr) |
3:50:00~ | 26.不明 27.Nature Boy 28.不明 | (28) Willie Jones III (Dr) (41) Gerald Cannon (b) (42) Larry Willis (p) (43) Jeremy Pelt (Tp) (37) Sherman Irby (A.Sax) |
4時間以後はRHファクターのコーナー。
出演者と曲目はこんな感じです。
Theo Croker (tp)
Maurice Brown (tp)
Jason Marshall (as)
Jacques Schwarz-Bart (Ts)
Bruce Williams (as)
Keith Anderson (as)
Jason “JT” Thomas (ds)
Willie Jones III (ds)
Common (vo)
Renee Neufville (kb,vo)
Stephanie Mckay (vo)
Bobby SparkII(kb)
Brian Hargrove(kb)
Todd Parsnow (g)
不明 (b)
演奏曲
Common Free Style
Crazy Race
Forget Regret など
この日はきっと、ニューヨークからジャズミュージシャンが消えてしまったんじゃないでしょうか?
長さも内容も観客数も歴史的!
もう一度動画へのリンクを。
埋め込み不能なので、下の表の中の左端の項目の時間表示をクリックして動画を見てくださいね。
時間と動画へのリンク | 主な出演者 |
---|---|
開始から4時間 | ・RHBigband ・RHQuintet ・Dizzy Gillespie All-Star Big Band ・共演したレジェンド ・クリソル |
4時間以後 | RHFactor |
動画の下の時間経過付きの再生ボタンを14分くらいまで進めてクリックしてください。
ミュージシャンだけでなく、お客さんの数も熱気もすごかったようです。
世界中から2000人を超える人が来場し、会場の外には入りきらない大勢の人々がロビーに設置された大画面モニターを食い入るように見つめていました。
「追悼 ロイ・ハーグローヴ」月間JAZZLIFE,平成31年3月号,p84,海野雅威
ロイ・ハーグローヴ追悼コンサートの見どころは?
見どころだらけで絞れないんですが、いくつか私が感動した場面をご紹介します。
オープニング
ニューオリンズの伝統的な葬儀にのっとった演奏。
どことなく哀愁が漂って、会場全体がロイを失った悲しみを共有できる素敵なオープニングでした。
1:59:00~ スキャット合戦
ブリッジウォーターとガンバリーニ。
怖いもの見たさというのもありますね。
2:39:00~ Renee Neufville の歌
最後のRHクインテットのバックでしっとりと歌います。
この曲はこの日の朝に彼女が作ったとのこと。
とても美しい曲です。
海野雅威(うんのただたか)のピアノも最高。
ロイに見初められて2016年10月からクインテットに加わり、ロイの最後のピアニストとなった海野さんについては、海野雅威の情報集結!ライブ・アルバム・お宝動画・逸話等一覧!試聴付で詳しくご紹介しています。
2:44:30~ Strasbourg/St.Denis
ピアニストが途中交代します。
テーマは海野、ソロからはジェラルド・クレイトン。
By Difennishi – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
パリのニューモーニングでの名演を彷彿とさせる魅力的な演奏。
クレイトンのソロに、温泉で演歌歌手見てるおばさん並に、喜んで拍手する海野さんが素敵です。
続きますが、
2:50:30~ サイラス・チェスナットのソロ
“Sweet Hour of Player"。
泣いてください。
2:53:05~ ガンバリーニお得意の替え歌
“I Remember Clliford" を"I Remember Roy" に。
ここでの聞き所はむしろ、Steve Davis のトロンボーンソロ!
素晴らしいです。
3:12:00~ “Habana" のメンバーでのラテン
チューチョ・バルデスの実像が私の持っていたイメージと全く違ってチューチョしました。
By Daniel Shen Taipei, Taiwan – Thinking, CC BY-SA 2.0, Link
ゲイリー・バーツのソロも聴きどころです。
パーカッション、驚異的に素晴らしい演奏なのに、演奏者の名前がわかりません。
ぜひ、どなたか教えてください。
ジャズの生き字引から新進気鋭のトランペッターまで
このコンサートの素晴らしいところは、ジャズの生き字引のようなジミー・コブやジョージ・ケイブルスなどと、新人ミュージシャンが同じ舞台で活躍しているところ。
このコンサートで意識的に前面に出されている3人の若手トランペッターはロイが指導し、強力にバックアップしていたようなんです。
この3人については、若手ジャズトランペッターならこれを聴け!Roy Hargroveの意思を継ぐ3人で詳しくご紹介していますので、よろしかったらぜひ。
Roy Hargrove Musical Celebrationはロイの意思を継ぐコンサート
こうしてロイの追悼コンサートは、ロイの歴史のみならずジャズの歴史をふりかえり、ジャズの未来を示唆するものになったのです。
常にジャズの先達に最大の敬意を払い、レジェンドに学ぶことを重んじたロイ。
そして、病を抱えながらもツアーの合間を縫ってセッションに通い、後進の育成にも情熱を注いでいた。
この追悼コンサートは、まさしくロイの生き様そのものです。
このインスタの投稿はロイが可愛がっていた Theo Croker のもの。
Theo も,この日フィーチャーされた若手の一人。
彼のコメントはロイへの感謝に溢れた素晴らしい文章です。
インスタへ飛ぶと翻訳もみられます。
この日の司会の重責を担ったのは、ロイとは10代からの付き合いだというクリスチャン・マクブライド。
きっと企画や運営にも一役も二役も買っていたに違いありません。
そして、本当に和やかな素晴らしい司会!!
ロイも天国で
「クリスちゃん、ありがとね〜」
って言ってることでしょう。
ロイのクインテット、ビッグバンド、RHファクター、それぞれの名盤を取り上げた追悼・ロイ・ハーグローヴの名演名盤を聴こう!も、よろしかったら是非ご覧くださいね〜〜〜。
[まとめ]今ジャズ聴くならここ!最強おすすめ動画チャンネル。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
アイキャッチの画像はウィキペディアより拝借しました。
By Jalylah Burrell,Brooklyn, NY
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