“Sir Duke”に込めたスティーヴィーの思い・名カバーも!|ゴニョ研

2019年3月27日ジャズおすすめ

デューク・エリントン楽団のトランペットセクションが演奏している写真

こんにちは。
ガッツかよめです。

“Sir Duke” といえば、スティーヴィー・ワンダーデューク・エリントンに捧げた曲!

今回は、この曲のオリジナルの魅力と、数々のミュージシャンのカバーをご紹介します。

Stevie Wonder の “Sir Duke”! 最高の音楽讃歌

収録アルバムSongs In The Key of Life (1976年)
Personnel
Stevie Wonder – Vocals
Raymond Pounds – Drums
Nathan Watts – Bass
Mike Sembello – Lead Guitar
Ben Bridges – Rhythm Guitar
Hank Redd – Alto Saxophone
Raymond Maldonado – Trumpet
Trevor Lawrence – Tenor Saxophone
Steve Madaio – Trumpet

この曲の歌詞の最初の部分にスティーヴィーの音楽への熱い想いが込められています。

“Music is a world within itself
With a language we all understand”

アルバム “Songs In The Key of Life” ブックレットより

「音楽はそれ自体、我々みんなが理解できる言葉を持った一つの世界」(筆者訳)

もちろん作詞作曲はスティーヴィー。

“Sir Duke” は、オーケストラ・リーダーでピアニストで作曲家である、デューク・エリントン。

デューク・エリントンがピアノを弾いている写真

エリントンは “satin dall”、”In a Sentimental Mood” など、ジャズのスタンダードとなる名曲を数多く作曲し、編曲者としてもピアニストとしても卓越した能力を発揮しました。

公爵(こうしゃく)という意味の “Sir” は、エリントンの上品な身のこなしからついたニックネームです。

「あの曲名は最初から思いついていたけど、曲の中ではいろんなミュージシャンを採り上げようと思っていた。素晴らしい仕事を遺したミュージシャンはたくさんいる。でも、すぐに忘れられがちだ。僕は、自分の感謝の気持ちを示したかったんだ」。

『デューク・エリントンに捧げたスティーヴィー・ワンダーの「Sir Duke」』、Written By Paul Sexton、Published on 5月 21, 2018、discovermusic.jp

スティーヴィーの言葉どおり、2コーラス目の歌詞には、(カウント・)ベイシー、(グレン・)ミラー、サッチモ(ルイ・アームストロング)、エラ(・フィッツジェラルド)の名前も出てきます。

カウント・ベーシー楽団が演奏している写真

ホーンセクションの力強いユニゾンで始まるイントロは、1,2小節聴けば誰もが “Sir Duke” とわかる特徴的なフレーズ。

この曲を強烈に印象づけるのはホーンセクション。
間奏でもエンディングでも最高に魅力的なフレーズをベースともユニゾンしています。

“Sir Duke” のアレンジは本当に完璧。

その証拠に、この後ご紹介するカバーは、このホーンセクションとベースがユニゾンする特徴的なフレーズを生かしているものがほとんどなんです。

では、カバーをご紹介していきます。

“Sir Duke” のカバーはオリジナルへのリスペクト満載

Nathan East

Nathan East(2014)
Nathan East – Bass,Vocals
Ricky Lawson -Drums
Jeff Babko – Keyboads,Hammond B3
Michel Thompson – Guitar
Ray Parker,Jr. – Guitar
Rafael Padilla – Percussion
Tom Scott – Saxophone
Chuk Findley – Trumpet
Andy Martin – Trombone
Joe Peskin – Tenor & Bariton Saxophone

ジャズ・フュージョン界でエレキベースといえば、この人!
ネイザン・イーストはホイットニー・ヒューストンやエリック・クラプトンなど、ポップスやロックの名盤のベーシストとしても知られます。

このネイザンの “Sir Duke”、オリジナルへのリスペクトに溢れています。
ネイザンがベースで弾くメロディに、絶妙なアレンジのホーン・セクションがからんで、重厚なのに軽快で本当に楽しいアレンジ。

この曲には、メイキング映像があるんですよ。

ホーン・アレンジを担当したトム・スコットの言葉が印象的です。

そもそも “Sir Duke” は聖書のように普遍で、変えられない曲だ。

だから原曲の雰囲気を変えすぎないようにしたそうです。

10代からスタジオ・ミュージシャンとして活動しているのに、ソロアルバムはこの “Nathan East” が初めてなんです。

それだけに、このアルバム、スティービー・ワンダーエリック・クラプトンなどゲストミュージシャンが豪華なんですよ。

Chris Waldene Big Band

Full On(2014)
Melanie Taylor – Vocals
Chris Waldene Big Band

クリス・ウォルデンはドイツ生まれの作・編曲家で指揮者。
彼はビッグバンドの編曲者として、数多くのアーティストのアルバム制作に関わってきました。

Diana Krall, Josh Groban, Michael Bublé, Aretha Franklin, Paul McCartney, Paul Anka, Stevie Wonder, Rihanna, Barbra Streisand

Chris Waldene Official HP, BIO

グラミー賞にも7回ノミネートされています。

どうりで、本当に聞き惚れるアレンジじゃないですか!

最高!

Michael Schlierf

Land Sicht(2017)
Michael Schlierf – Piano

この曲をピアノソロで弾こうとするのが、まず素晴らしいでしょう?
私はそれだけでマイケルさんに「よくがんばったでしょう」をあげたい。

この人もドイツ生まれ。
作編曲家でピアニストです。

クラッシックとジャズを混ぜたような雰囲気です。
音がきれいでフレーズもしゃれていて、疲れずに聴けますね。
いいピアニストだと思います。

角田健一ビッグバンド

Big Band Special ~ 華麗なるビッグバンド サウンド(2018)
角田健一ビッグバンド

角田健一ビッグバンドは1990年に結成され、現在も活動中です。
日本のビッグバンドもなかなかがんばっているんですね。

The Real Group

Nothing but The Real Group(1989)
Margareta Bengtson – Soprano
Katarina Henryson – Alto
Anders Edenroth – Tenor / Voice percussion
Peder Karlsson – Baritone
Janis Strazdins – Bass

1984年に結成されたスウェーデンのアカペラグループ。
彼らの精緻で美しく表現力豊かなコーラスは、国際的にも評価が高い。

The Real Group の “Sir Duke” は、彼らのコーラスワークの高さが存分に発揮されています。
途中、スローテンポになってのスキャットのソロも実にしゃれていて、聴きごたえ十分。
The Real Group はジャズのスタンダードからポップス、民謡、オリジナルなど、ジャンルを超えた選曲が魅力です。

Julia Fordham

The Language of Love(2014)
Julia Fordham – Vocals
Grant Mitchell – Producer, Arranged By, Piano, Keyboards
Herman Matthews – Drums
David Piltch – Bass
Harry Kim – Trumpet

最後はしっとりとした女性ボーカル。
イギリス出身のシンガーソングライター、ジュリア・フォーダムのアルバムから。
この曲のカバーでは珍しくリラックスムードのアレンジです。
ファーダムの安定感のある歌唱とシンプルなバックがぴったり合っています。
ハリー・キムは、スティービーのバンドでも吹いていたトランペッター。

“Sir Duke”は Stevie Wonder の珠玉のアレンジ!

“Sir Duke” 。
歴史に残る名曲。

こうしてカバーを聴いてみて、改めてこの曲の偉大さがわかります。
この曲をどうアレンジしても、オリジナルを超えられないのではないでしょうか?

“Sir Duke” のスティーヴィーのオリジナルは、この曲の完成形。

トム・スコットの言うように、この曲は聖書のような曲なのですね。

このオリジナルの素晴らしいアレンジを大切に、これからも多くの人に愛され、演奏され続けることでしょう。

スティーヴィーのデビューから現在までの名曲を聴きながら、彼の音楽人生をたどる、スティーヴィー・ワンダーの名曲!聴くだけでわかる彼の音楽人生も、ぜひ。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。