心に染みる曲・素晴らしいメロディを最高のジャズで|ゴニョ研
こんにちは
ジャンルを超えて音楽が大好きなガッツかよめです。
心に染みる曲。
何度聴いてもグッとくる、また聴かずにはいられない、そんなメロディ。
今回は、演奏家として有名なジャズミュージシャンが作った曲の中から、そんな曲を選び、演奏も最高なものだけを集めました。
初めてジャズを聴く方にもおすすめです。
ついつい語りたくなっちゃうんで、作曲者や演奏者についても熱く語っています。
ジャズの入り口として、きっとあなたにぴったりの曲が見つかると思います。
- 1. 心にしみる曲・ジャズミュージシャン作曲の最高の大人のメロディ
- 1.1. Just the Two of Us(作曲:ラルフ・マクドナルド)
- 1.2. Plum Island(作曲:渡辺貞夫)
- 1.3. Long Yellow Road(作曲:龝吉 敏子)
- 1.4. Hymn to Freedom(作曲:オスカー・ピーターソン)
- 1.5. Gravy Waltz(作曲:レイ・ブラウン)
- 1.6. Grace(作曲:クィンシー・ジョーンズ)
- 1.7. Sweet Baby(作曲:ジョージ・デューク)
- 1.8. Tell Me Bedtime Story(作曲:ハービー・ハンコック)
- 1.9. Country(作曲:キース・ジャレット)
- 1.10. Friends(作曲:チック・コリア)
- 1.11. So What(作曲:マイルス・デイヴィス)
- 1.12. Waltz for Debby(作曲:ビル・エヴァンス)
- 1.13. 'Round Midnight(作曲:セロニアス・モンク)
- 1.14. チュニジアの夜(作曲:ディジー・ガレスピー&フランク・パパレリ )
- 1.15. クレオパトラの夢(作曲:バド・パウエル)
- 1.16. DJANGO(ジャンゴ)(作曲:ジョン・ルイス)
- 1.17. Nuages(ヌアージュ)(作曲:ジャンゴ・ラインハルト)
- 1.18. Bluesette(作曲:トゥーツ・シールマンス)
- 1.19. バードランドの子守唄(作曲:ジョージ・シアリング)
- 1.20. James(作曲:パット・メセニー)
- 1.21. Don’t Let Me Be Lonely Tonight(作曲:ジェイムス・テイラー)
- 1.22. ミモザ(作曲:ジョージ・ベンソン)
- 1.23. Rain(作曲:クリス・ミン・ドーキー)
- 1.24. Pee Ka Boo!(作曲:海野雅威)
- 1.25. The Star Crossed Lovers(作曲:デューク・エリントン&ビリー・ストレイホーン)
- 2. ジャズには心に染みる曲がいっぱい! ぜひジャズの世界へ
心にしみる曲・ジャズミュージシャン作曲の最高の大人のメロディ
Just the Two of Us(作曲:ラルフ・マクドナルド)
どっかで聴いたことあるなあと思った方、そうなんです。
久保田利伸も歌っていましたね。
作曲はラルフ・マクドナルド。
ジャズ・パーカッショニストで、名作曲家でもあるんです。
このバージョンを歌っているのは、ビル・ウィザーズ。
サックスを吹いているグローヴァー・ワシントンJr.のアルバムに入っている曲です。
そんな、「何がジャズなのか問題」で疑問をお持ちの方は、当ブログきっての人気記事、ジャズとは何か?楽しく音楽を聴くだけでサルでもわかる!へどうぞ。
Plum Island(作曲:渡辺貞夫)
日本を代表するジャズ・ミュージシャン渡辺貞夫。
先ほどの “Just the Two of Us" を作曲したラルフ・マクドナルドは、渡辺貞夫のアルバムもプロデュースし、ツアーのパーカッショニストとして来日もしていました。
渡辺貞夫、ナベサダは、メロディメーカーとしても最高でしょう?
この録音は2019年のライブ。
艶っぽくて素晴らしい音色は、ナベサダ86歳の演奏です。
今でこそ、ニューヨークにも日本人ジャズミュージシャンがたくさんいますが、彼がアメリカに留学したのは、1960年代はじめ。
まだ、日本人が海外旅行をするのさえ珍しい時代に、本場のジャズ・ミュージシャンと共演を重ねました。
そして、その後もずっと世界的に活躍し続けています。
この曲、この演奏を聴けば、それも納得できますね。
Long Yellow Road(作曲:龝吉 敏子)
この曲を作曲した龝吉敏子(あきよしとしこ)も、世界で活躍するジャズピアニスト。
1950年代、龝吉敏子は東京でコージー・カルテットというバンドを結成し、他のバンドがやらない最先端のジャズを演奏していました。
1953年にアメリカ・デビューを果たし、ジャズの名門校バークリー音楽院に留学した彼女の後に、コージー・カルテットのリーダーになったのが、ナベサダです。
そして、その後、龝吉敏子の誘いで、ナベサダもバークリーに留学するというわけです。
日本のジャズの発展は、このお二人無くしてはあり得ませんでした。
“Long Yellow Road"。
白人社会のアメリカで、黒人音楽であるジャズを演奏する黄色人種であり、しかも女性であったことは、想像を絶する苦労があったのでは、と推察します。
軽快なリズムながらも、じわっと心に染みる名曲です。
Hymn to Freedom(作曲:オスカー・ピーターソン)
龝吉敏子のアメリカデビューのきっかけを作ったのが、誰あろう、オスカー・ピーターソンです。
来日時に彼女の演奏を聴き、凄腕プロデューサー、ノーマン・グランツに推薦しました。
オスカー・ピーターソンも、この人なしにジャズピアノは語れない、そういう人です。
Tom Marcello Webster, New York, USA – Oscar Peterson portrait -1977, CC 表示-継承 2.0, リンクによる
カナダ生まれですが、黒人への差別がまだ厳しい時代にアメリカで活躍しました。
この曲の邦題は『自由への賛歌』。
ピーターソンが、カーネギー・ホールで大喝采を受けてアメリカデビューしたのが1949年。
その後、公民権法で法律上の黒人差別が撤廃されるのが1964年。
この間、どんなに名声を得ても、ホテル・バス・図書館・トイレなど、あらゆる施設で白人から分けられた彼の思いを想像しながら聴いてください。
そしてこの曲は、自由のために闘(たたか)う黒人への賛歌でもあったのです。
オスカー・ピーターソンの代表作でジャズの入り口にぴったりなアルバム、ご紹介してます。
初ジャズ大歓迎!!The Oscar Peterson Trio “We get requests”
Gravy Waltz(作曲:レイ・ブラウン)
ちょっと湿っぽい話になったんで、ノリのいい曲を。
作曲したのは、オスカー・ピーターソンの女房と言われたベーシスト、レイ・ブラウンです。
女房といっても、ピーターソンがゲイだったわけではありません。
ベースという楽器は、バンドの中で一番低い音を演奏して、リズムと和音の基礎を作りますよね。
あまり表に出ないけれど、メロディを奏でる楽器を支える、非常に重要なポジション。
By McOleo – Own work
File:D.Gillespie J.Lewis C.Payne M.Davis R.Brown(Gottlieb).jpg, CC0, Link
ピアニストのオスカー・ピーターソンとベーシストのレイ・ブラウンは名コンビ。
やんちゃで自由奔放なピーターソンを、レイ・ブラウンが手堅くガッチリ支えていたので、こんな風に呼ばれているわけです。
レイ・ブラウンは演奏家としてだけでなく、作曲家、編曲家、またプロデューサーとしても非常に有能な人であったそうです。
さて、お待たせしました!
色男の登場です。
歌っているのが、Benny Benack III。
トランペットも吹いています。
陽気な人みたいですね。
この人の父ちゃんもじいちゃんも、ジャズ・トランペッターなんです。
3代続くなんて、老舗の和菓子屋みたい。
歌もトランペットも最高です。
現在29歳、ニューヨークで活躍中です。
このBenny Benack III が、ニューヨークの精鋭ジャズミュージシャンと組んでいるバンド、NEW CENTURY JAZZ QUINTET(ニュー・センチュリー・ジャズ・クィンテット)については、[必聴]いま世界で活躍する日本人ジャズ ピアニスト8人で、詳しくご紹介しています。
そうそう、歌のバックに流れる超かっこいいベースは、クリスチャン・マクブライドというベーシストが弾いてます。
頭が光るクマのプーさんて感じ。
紹介してるのは、レイ・ブラウン作曲の名曲、『グレイビー・ワルツ』、心に染みる、いいメロディでしょう?
Grace(作曲:クィンシー・ジョーンズ)
作曲者クインシー・ジョーンズは、マイケル・ジャクソンの大ヒットアルバム「オフ・ザ・ウォール」のプロデューサーとして有名ですが、元はジャズ・トランペッター。
さっきの3代目の色男と同じ職業ですね。
クインシー・ジョーンズは、作曲、編曲、プロデュースのいずれでも、1950年代から現在まで、第一線で活躍し続けています。
この曲を歌っているのは、Take6 というアカペラ・グループです。
驚異のアカペラグループ Take6 については、Take6 知らなきゃアカペラファン失格!Take6 NewAlbum “Iconic"で詳しくご紹介しています。
Sweet Baby(作曲:ジョージ・デューク)
写真の右のアフロヘアの人が、ジョージ・デュークです。
ジョージ・デュークは、一時期クィンシー・ジョーンズのバンドに参加していました。
そして、ジョージ・デュークもクィンシーのように作曲・編曲・プロデュースで高く評価される人です。
マイルス・デイヴィスが電子楽器を取り入れてジャズの新境地を開拓した名盤 “TUTU" にも参加していました。
でも外観が怖すぎ。
暗い夜道で、こんな人が向こうから来たら、私なら逃げる。
強面(こわもて)すぎる。
どこからこんな甘いメロディが浮かんでくるんでしょう?
歌っているのも、鍵盤楽器を弾いているのもジョージ・デュークです。
Tell Me Bedtime Story(作曲:ハービー・ハンコック)
ジョージ・デュークと同時代に、やはりジャンルを超えてヒットを飛ばし、鍵盤楽器演奏・作曲・編曲・プロデュースと多彩な活動をしたのが、この曲の作曲者、ハービー・ハンコック。
ジャズのさまざまな領域で常に新境地を切り拓いてきました。
ピアノのうまさも驚異的ですが、作曲・編曲もすばらしく、電子工学の博士号を持っているだけあって、電子楽器の扱いもお手の物。
Country(作曲:キース・ジャレット)
そのハービー・ハンコックと、マイルス・デイビスのバンドで共に活動していたのが、この人、キース・ジャレットです。
マイルス・デイヴィスのバンドではオルガンやエレクトリックピアノを弾いていたんですが、その後はピアノが中心です。
すばらしい曲をたくさん書き、名演も数知れず。
その場での即興演奏だけで演奏会を行うこともありました。
さて、この曲の美しいテーマを吹くのはサックスのヤン・ガルバレク。
頑張るんだか頑張るのが嫌なんだか分からない名前の、この人の演奏が本当に表情豊かで切なさが身に染みますよね。
またねえ、微妙に出たり引っ込んだりするピアノのキース・ジャレットは、気が強いけど優しい飲み屋のおかみさんみたいで、いいじゃあないですか?
もちろん、店はおかみさんが全権を掌握しているんですが、旦那や従業員のいいとこを、ちゃんと知ってて、ちょうどよくお客さんとの間を取りもってるんですよ。
Friends(作曲:チック・コリア)
チック・コリアという名前はジャズに詳しくない方でもご存知かも。
チック・コリアはハービー・ハンコックの後釜としてマイルス・デイビスのグループに参加します。
この曲で弾いているのは、エレクトリック・ピアノ。
どちらかというとチック・コリアらしくない、ほのぼのとした感じが心に染みる名曲です。
フルートが本当にきれいです。
演奏は、ジョー・ファレル。
チック・コリアの代表曲は『スペイン』。
きっと聞き覚えがある方が多いことでしょう。
So What(作曲:マイルス・デイヴィス)
ハービー・ハンコック、キース・ジャレット、チック・コリア。
ジャズ界のレジェンドと言われるキーボーディストが3人続きました。
ご紹介したように、この3人の共通点は、トランペッターで作曲家、プロデューサーでもあるマイルス・デイビスのバンドに参加していたこと。
“So What?"
曲のタイトルであるこの言葉は、マイルスの口癖だったとか。
「だからなんだっていうんだ?」
決して誰かに媚びたりせず、常に自分のやり方でジャズの未来をつくってきたマイルスらしいエピソードです。
この曲の名曲としての価値は、「ジャズの革命」であることです。
それまでコードに基づいて考えられていたアドリブ。
そのアドリブをコードに囚(とら)われずに演奏する方法を提案したのがこの曲。
初めてその革命を曲で試してみた曲が “Nardis"。
ピアノを弾いているのが、作曲でも演奏でも天才的な才能を発揮してジャズ界を牽引したビル・エヴァンス。
マイルスの実験をいち早く正しく理解できたのは、ビル・エヴァンスだったという話です。
「コードに囚われないアドリブをしろ」と言われても、今までずっとコードで考えてきたから、いきなり違う考え方で演奏しろと言われても、エバンス以外の音楽家にはできなかったわけです。
“Nardis" に比べると、"So What?" では、テーマのメロディも洗練されたような気がします。
そして、こちらは大成功だったんですね。
これ以降、コードに縛られずにアドリブする方法、モード奏法が普及していきます。
マイルスは、演奏家というよりジャズ界を牽引するメンター、政治家という方がぴったりきます。
Waltz for Debby(作曲:ビル・エヴァンス)
そのビル・エヴァンスが作曲した名曲中の名曲がこの、ワルツ・フォー・デビーです。
演奏もビル・エヴァンスです。
美しいメロディと豊かなハーモニー、優雅なのにダイナミックでスケールの大きい演奏に圧倒されます。
本当にうっとりします。
ぜひ、全編を聴いていただきたい。
'Round Midnight(作曲:セロニアス・モンク)
ビル・エヴァンスの叙情的で流れるようなピアノとは対照的に、不協和音や独特の「間」を特徴とした演奏で知られたのが、セロニアス・モンク。
彼は作曲者としては美しい旋律を生む人でした。
代表作はこの、『ラウンド・ミッドナイト』。
マイルス・デイビスの演奏も有名で、彼の代表曲でもあります。
チュニジアの夜(作曲:ディジー・ガレスピー&フランク・パパレリ )
ジャズ史に残るといえば、ディジー・ガレスピーも忘れてはいけない人です。
先ほどのセロニアス・モンク、サックス奏者のチャーリー・パーカーとともに、モダンジャズの原型となるジャズの一形態「ビバップ」を築いたトランペッターです。
また、マンボなどラテンのリズムを、いち早くジャズに取り入れた功労者でもあります。
トランペットを吹くときにほっぺが膨らむことでも有名でした。
2T, edited by Paulus1 – http://commons.wikimedia.org/wiki/Image:Dizzygillespie88.jpg, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
この曲はジャズに限らず、実にさまざまな音楽家にカバーされています。
R&Bの女王、チャカ・カーンの歌です。
この録音にはガレスピーも参加しています。
チャカのコーラスに絡むガレスピーのトランペットでフェイドアウトしていくアレンジが、最高にかっこいい!!
クレオパトラの夢(作曲:バド・パウエル)
セロニアス・モンクと仲良しで、ビバップのピアニストとしては第一人者と言われるのが、バド・パウエルです。
この『クレオパトラの夢』は、テレビ番組のテーマ曲などにも取り上げられていたので、聞き覚えのある方が多いでしょう。
パウエルの演奏は、右手を高速ジェットのように早く動かし、たくさんの音を絶え間なく弾くアドリブが特徴的です。
このパウエルの神業のような奏法は、その後のジャズピアニストに受け継がれていきます。
世の中には、たくさんの神がいるもんですね。
DJANGO(ジャンゴ)(作曲:ジョン・ルイス)
ジャズミュージシャンが、ジャズミュージシャンに捧げた曲はとても多いんですよね。
この “DJANGO" は、ジャンゴ・ラインハルトというギタリストに捧げられたものです。
ジャンゴ・ラインハルトはジプシー音楽とジャズを合体させたジプシー・スウィングの創始者として有名です。
作曲者ジョン・ルイスは、MJQ(Modern Jazz Quartet:モダン・ジャズ・カルテット)というバンドのピアニスト。
ジョン・ルイスは、クラッシックの色が濃いジャズを多く作ったことで有名です。
Nuages(ヌアージュ)(作曲:ジャンゴ・ラインハルト)
というわけで、こちらはそのジャンゴ・ラインハルトが作曲した曲。
ジャンゴ・ラインハルトは、ロマの生まれ。
要するにキャビンで移動しながら演奏する、日本で言えば旅芸人みたいなもんでしょうか?
さしづめ梅沢富三郎みたいな。
ジャンゴ・ラインハルトは、10代前半からパリのダンスホールで演奏活動をしますが、18歳の時に火事で左手の薬指と小指に障害を負ってしまいます。
ギターの弦を押さえる左手の指の動きを失い、医師からも演奏は無理だと言われたそうなんですが、なんと、ジャンゴは中指と人差し指だけで演奏する方法を編み出すのです。
「ヨーロッパ初の偉大なジャズ・ミュージシャン」とも評されるジャンゴ。
この曲でバイオリンを弾いているステファン・グラッペリとともに、フランス・ホット・クラブ五重奏団を結成して活躍しました。
”Nuages” は、第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ占領下のフランスで大ヒットした曲。
暗い世相の中、人々が音楽に求めたものを想像しながら聴くと、また感慨深いですよね。
Bluesette(作曲:トゥーツ・シールマンス)
ジャンゴ・ラインハルトのギターに憧れてギターを始めたトゥーツ・シールマンス。
ギタリストとして音楽活動をするうちに、ハーモニカも演奏するようになり、ハーモニカの大家として世界中に知られた人です。
ベニー・グッドマンやチャーリー・パーカーのツアーに参加し、エラ・フィッツジェラルドやビル・エヴァンス、ジャコ・パストリアスなど、数え切れないほどのジャズのレジェンドと共演しました。
この曲、『ブルーゼット』を聴けば、作曲家としての素晴らしさも実感できますね。
そうそう、ここではハーモニカは吹かないで、口笛なんです。
トゥーツの口笛とギターのユニゾンをお聴きください。
バードランドの子守唄(作曲:ジョージ・シアリング)
さて、そのトゥーツ・シールマンスが、1950年代に参加していたのが、この曲を作曲したジョージ・シアリングのクインテット。
ジョージ・シアリングは盲目ですが、ピアノの演奏、作曲、編曲といずれも非常に高い評価を受けました。
歌うのはサラ・ヴォーン。
ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドと並ぶ、女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の一人と言われています。
残念ながら試聴では聴けませんが、サラのスキャット(シャバダバ・シュビドゥバーってやつ)とクリフォード・ブラウンのトランペットとの掛け合いは見事です。
「バードランド」は、ニューヨークにあるジャズクラブなんですよ。
James(作曲:パット・メセニー)
ジャズクラブ、バードランドは持ち主が替わったり引っ越したりしながら現在も続いています。
この曲を作曲したパット・メセニーも、バードランドで演奏しました。
パット・メセニーは驚異のセンスとテクニックを持つギタリスト。
美しい曲をたくさん書いています。
タイトルの “James" は、シンガ・ソングライターの James Taylor(ジェイムス・テイラー)。
ジェイムス・テーラーと共演したパット・メセニーが、ジェイムスの音楽家としての素晴らしさに感激して曲を書きました。
Don’t Let Me Be Lonely Tonight(作曲:ジェイムス・テイラー)
そのジェイムス・テイラーは、ジャズミュージシャンではありませんが、彼が作曲したこの曲は、多くのジャズミュージシャンにカバーされています。
このバージョンでは、歌っているのはジェイムス・テイラー。
サックスはマイケル・ブレッカー、ピアノはハービー・ハンコックと、こちらはジャズ畑の人たち。
ジェイムス・テーラーはジャズ・ミュージシャンとの共演がとっても多いんです。
声もステキですが、アコースティック・ギターも熱烈なファンがいるほどの腕前です。
ミモザ(作曲:ジョージ・ベンソン)
ジェイムス・テイラーと共演したジャズ・ミュージシャンの一人、ギタリストのジョージ・ベンソンです。
“20/20" という、ジョージ・ベンソンの大ヒットアルバムに、ジェイムス・テイラーが参加していたんですね。
この『ミモザ』は、ジョージ・ベンソンが作曲した曲で、アコースティック・ギターの名手、アール・クルーとコラボしたアルバム、その名も “Collaboration" に入っています。
ミモザの花の香りが漂ってくるような、ロマンチックなメロディです。
Rain(作曲:クリス・ミン・ドーキー)
先ほどの “Don’t Let Me Be Lonely Tonight" でサックスを吹いていたマイケル・ブレッカーのバンドでベースを務めていたのが、この曲を作曲したクリス・ミン・ドーキーです。
数々のミュージシャンとの共演があるベーシストですが、坂本龍一もその一人。
坂本龍一が、ニューヨークでクリス・ミンの演奏を聴き、その場で自分のバンドに入るよう要請したという話は有名です。
この “Rain" は坂本龍一のツアーで訪れた東京のホテルで書いたという曲。
私が、この曲を初めて聴いたのはもう20年ほど前ですが、いまだに聴くたび心にしみる、本当に素晴らしい曲だと思います。
クリス・ミン・ドーキーについては、ロマンチックすぎるジャズ “Scenes from a Dream” / Chris Minh Dokyで、彼のアルバムをフルでご紹介しております。
Pee Ka Boo!(作曲:海野雅威)
日本を代表するピアニスト海野雅威(うんの・ただたか)作曲の『ピーカブー!』。
この曲を聴くといつも、なんだか心が穏やかになります。
彼については、海野雅威の情報集結!ライブ・アルバム・お宝動画・逸話等一覧!試聴付で詳しくご紹介しています。
The Star Crossed Lovers(作曲:デューク・エリントン&ビリー・ストレイホーン)
ジャズの作曲家といえば、最も有名なのは、このデューク・エリントンかもしれません。
ビッグ・バンドを率いて、多くの曲をバンドのピアニスト、ビリー・ストレイホーンとともに書きました。
この曲のタイトル “The Star Crossed Lovers" は、添い遂げられない幸薄い恋人たちという意味だとか。
和菓子職人、ベニー・べナックIII と私も The Star Crossed Lovers でしょうかね?
ジャズには心に染みる曲がいっぱい! ぜひジャズの世界へ
長い話にお付き合いいただき、ありがとうございます。
ジャズって、いろいろありますよね。
ご紹介した曲は、いわゆる正統派ジャズではないものも多かったかもしれません。
でも、私は、音楽にジャンルなんて、本当はいらないのではないかと思います。
大切なのは感動する曲との出会い。
「なんてステキな曲なんだろう」
と思えない曲を聴いてもしょうがない。
どんなジャンルでも、人の評価がどうでも、自分が大好きだと思えるのが大事。
そして、実はジャズには心に染みる美しいメロディの曲がたくさんあります。
もし今日ご紹介した中にお好きな曲があったら、その作曲家や演奏家の曲をたくさん聴いてみてくださいね。
ジャズを初めて聴く方にぴったりな曲を、ジャズ初心者向け・ジャズミュージシャンが作曲した最高のメロディでも、ご紹介しています。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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