ウィントン・マルサリス スタンダードタイム Vol.3|ゴニョ研

2018年1月4日ジャズおすすめ

目次

スポンサーリンク

“My Romance” ビル・エバンスとラファロの最後の名演も!!

12曲目 “My Romance (マイ・ロマンス) ”

4曲目と同じ、リチャード・ロジャースとロレンツ・ハートのコンビによるものです。

エリスは、飽くまで原曲に忠実に、美しすぎる音を奏でています。

また、この曲はビル・エバンス・トリオの演奏が大変有名です。ピアノソロも長いしベースソロもあるライブ盤ですが、何度聴いても素晴らしい名演なのでご紹介しておきます。

このアルバム “Walts for Debby (ワルツ・フォー・デビー) ” はジャズを好きな人なら知らない人はいない名盤です。ベースはスコット・ラファロ、ドラムはポール・モチアン。この3人の演奏はまさにジャズの至宝ですが、このライブの直後にスコット・ラファロが事故死し、この演奏はラファロの最後の録音になりました。ラファロの演奏はバックもソロも聴きごたえ十分で魅了されます。同じ曲が take1 と take2 の2回録音されています。ジャズの演奏は全く同じことは2度とできないので、何回か録音すると全部違うものになり、聴き比べも楽しいということです。

13曲目 “Everything Happens to Me (エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー) ”

トミードーシー楽団でピアノを弾いていたマット・デニスが作曲して、楽団の歌手であったフランク・シナトラが歌った曲。試聴ではほとんど聴けませんが、エリスのアドリブのフレーズはメロディアス、かつ、アプローチの手法はバラエティに富んでいて、それでいて細部の表現まで注意が行き届いているのです。エリスは、ジャズの教育者としても、演奏家としても非常に長いキャリアを持っているのですが、演奏家として脚光を浴びたのは息子たちが有名になってからでした。音楽だけでは食べられない時はモーテルの経営もしていて、そこにはキング牧師も泊まっていたとの話があります。このアルバムのライナー・ノーツの中で、ウィントンは父親エリスが、貧しい時にも常に音楽を愛し、決してジャズの勉強を怠らず、自分の音楽を向上させるためには新しい試みにでも情熱的に取り組んでいた、と語っています。

14曲目 “Flamingo (フラミンゴ) ”

エドマンド・アンダーソンテッド・グルーヤが1941年にミュージカルのために書いた曲。タンゴのリズムにのせてトランペットがテーマを吹き、スウィングになってピアノソロ。テーマに戻るとまたタンゴです。トランペットの音色は今までの曲にない、鋭く明るいものですね。スウィングでのエリスのアドリブがとても渋くて素敵。

15曲目 “You are My Everyting (ユー・アー・マイ・エヴリシング) ”

1931年に公開されたブロードウェイミュージカル “Laugh Parade” のためにハリー・ウォーレンが作曲しモート・ディクソンジョー・ヤングが詞を書いたものです。バラードで演奏されているものもありますが、ここではミディアムテンポのスウィングで軽やかに演奏されています。

“Skylark” とにかくウィントンの音色の美しさに聴きほれる!

16曲目 “Skylark (スカイラーク) ”

ジョニー・マーサーが作詞し、ホーギー・カーマイケルが作曲して1941年に発表されたポップスです。まさにトランペットのために作られたようなメロディです。私は実はこの1曲のためにこのアルバムを買ったのです。とにかく美しいウィントンの演奏を聴いてください。

17曲目 “It’s Easy to Remenber (イッツ・イージー・トゥ・リメンバー) ”

4曲目、12曲目と同じロジャース&ハートが、映画のために1935年に書いた曲です。ウィントン、エリス、ウィントン、とテーマを演奏し終わるとエリスの短いアドリブがあって、テーマに戻ってウィントン。短いけれどジャズらしい魅力的なイントロをエリスが弾いています。

スポンサーリンク